秋の深まりとともに紅葉が楽しみな季節になってきましたね。綺麗に紅葉した木々も素敵ですが、美しく磨き上げられた床や水面にリフレクションする紅葉の美しさは、ひときわ格別なものです。
今回はそんなリフレクションが美しい紅葉スポットをご紹介します。
※記事中の情報はすべて2024年10月時点のものです。
金竜海にリフレクションする圧巻の光景
【綾部市】大本神苑
綾部市の街中部にある静かで広大な敷地を誇る「大本神苑」は、四季折々の草花が咲く市民に開かれた場所です。11月中旬から下旬には、神苑内一帯に広がる木々の紅葉と常緑のコントラストを楽しむことができます。
特に大正時代の初めに“竜宮の乙姫のすまいどころ”として築造された「金竜海(きんりゅうかい)」では、イロハモミジが水面に映り込む圧巻の光景を見ることができます。
風のない晴れた日の午前10時から12時の時間帯には、日光の柔らかな光が水面に紅葉を色濃く写し出し、とても綺麗なリフレクションを見ることができます。午後の光が強くなる時間帯は見づらくなるようで、その場合は夕方まで待ってみるのもおすすめです。
金竜海周辺を散策しながらお気に入りのリフレクションスポットを探してみてくださいね。
また、神苑には国の登録有形文化財に指定されている「みろく殿」や、20世紀最大級の木造建築で樹齢300年以上の木曽檜(ひのき)などを使った「長生殿」も見どころです。こちらは事前に申し込みをすると内部も拝観することができます。拝観の際には靴下の着用が必要なのでお忘れなく。
■■INFORMATION■■
大本神苑
綾部市本宮町1-1(梅松苑)
TEL:0773-42-0187
休み:なし
拝観時間:拝観自由 ※行事等で拝観できない日もあります。
拝観料:無料(※神殿内部の見学は予約が必要です)
漆黒の床に映る紅葉が美しい「床もみじ」
【京都市】実相院門跡
実相院門跡は代々皇室の方々が住職を務められた格式の高い門跡寺院。境内の四脚門や御車寄、客殿は東山天皇の皇后・承秋門院(じょうしゅうもんいん)の旧宮殿が移築されたもので、現存する数少ない女院御所といわれています。また、紅葉の名所としても名高く、池泉の庭と石庭の趣の違う2つの庭園ではイロハモミジやイタヤカエデ、ノムラモミジなど、様々な木々が美しく色づく光景を楽しむことができます。
なかでも、客殿「滝の間」では磨き上げられた漆黒の床にカエデの木々が反射する「床もみじ」が見られ、その様子は心を奪われるほどの美しさです。特に12月初旬頃までの天気の良い11時から15時の時間帯は、室内の陰影が際立ち、より綺麗な床もみじを見ることができます。
床もみじ以外にも見どころが多く、こちらの「高士図襖」は300年以上前に狩野派の絵師によって描かれたものといわれています。そのほかにも各部屋の襖絵や杉戸絵、鎌倉時代に作られた伝わるご本尊の「木造不動明王立像」など、紅葉と合わせて貴重な文化財を鑑賞することができます。
建物内での撮影は禁止されているので、じっくりと目で見て楽しんでくださいね。
■■INFORMATION■■
実相院門跡
京都市左京区岩倉上蔵町121
TEL:075-781-5464
拝観時間:9:00〜17:00
拝観料:大人500円、小中学生250円
休み:不定休
机に映し出される息を呑むようなリフレクション
【京都市】瑠璃光院
比叡山の麓に広がる四季折々の自然が美しい八瀬の里に佇む「瑠璃光院」。境内にある大正末期から昭和初期にかけて造営された数寄屋造りの書院の2階では、目の前に広がる「瑠璃の庭」の紅葉が窓辺に置かれた黒い机に映し出され、息を呑むような美しいリフレクションを見ることができます。時間帯によって映し出される紅葉の色が変化するのも魅力のひとつです。
お庭には出ることができませんが、この部屋からみる紅葉の様子は、一度見たら忘れられないほどの美しさ。三脚の使用は不可ですが写真撮影は可能なので、拝観者が多い時は譲りあって撮影してくださいね。
また、山門から書院までの間で見られる苔と紅葉のコントラストも趣があり見どころです。
瑠璃光院は通常非公開ですが、春・夏・秋の限られた期間のみ拝観することができます。秋の公開は10月1日から始まっていますが、11月9日から12月1日の期間はホームページからの事前予約が必要になるので早めにチェックしてくださいね。
■■INFORMATION■■
瑠璃光院
京都市左京区上高野東山55
秋の拝観期間:2024年10月1日〜2024年12月15日 ※11月9日〜12月1日は公式HPからの予約が必要です(10月21日より予約開始)。
拝観時間:10:00〜17:00(16:30受付終了)
拝観料:大人2,000円(中学生以上は学生証提示にて1,000円)
散策しながら楽しむ水面や窓に映る紅葉
【精華町】けいはんな記念公園
関西文化学術研究都市の中心部に立地する「けいはんな記念公園」は、およそ東京ドーム5個分の敷地に日本の里の風景をテーマに造られた公園です。園内は有料エリアの現代版回遊式日本庭園「水景園」をはじめ、南山城地域の里山を保全した「芽ぶきの森」、無料エリアの「芝生広場」や「谷あい」の4つのエリアに分かれています。
11月中旬から下旬頃になるとイロハモミジが赤く色づき、快晴日の午前中と夕方には水景園の水面に映り込みます。写真は開園前8時頃のものですが、開園時も見事なリフレクションを見ることができます。
水景園の東側には「紅葉谷」があり、こちらはモミジが自然に育つ山地の谷をイメージして造られています。モミジ本来の樹形を生かした木々の広がりを感じられる自然な姿で整えられており、苔庭を流れる清らかな小川沿いに枝を伸ばす美しい紅葉を愛でながら、心地よい散策を楽しむことができます。
また、紅葉谷に隣接する「観月楼」もリフレクションスポットのひとつ、建物の窓がマジックミラーになっているので、水面とは違ったリフレクションを見ることができますよ。
さらに、庭園の奥にはフユザクラがあり、11月中旬から12月初旬になると紅葉を背景に可憐な一重の花を咲かせる様子も、ぜひ現地で見ていただきたい風景です。
■■INFORMATION■■
けいはんな記念公園
相楽郡精華町精華台6-1
TEL:0774-93-1200
休み:年末年始(ほか臨時休園あり)
開園時間:9:00〜17:00(16:30受付終了)
入園料:一般200円、小・中学生100円、未就学児無料/60歳以上は証明書提示で無料
休園日:年末年始(ほか臨時休園あり)