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楽しい体験を通じて宇治を学ぶ「お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな」

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2021年10月1日、京阪宇治駅の目の前にグランドオープンした「お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな」。KYOTOSIDE編集部は早速現地へ直行し、どのようなスポットなのかを徹底取材してきました!

「お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな」ってどんなところ?

京阪宇治駅のそばに出来た歴史公園&体験施設

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京阪宇治駅から徒歩すぐの好立地に今年の8月にオープンした「お茶と宇治のまち歴史公園」は、史跡や庭園、広場が一体となった歴史を感じられる公園です。

その公園の中にある「お茶と宇治のまち歴史交流館 茶づな」は、宇治茶の伝統や作法をさまざまな形で体験できる施設となっています。コロナ禍の緊急事態宣言でオープンが延期になっていた注目のNEWスポットですが、ようやくこの10月より、晴れて全面オープンを迎えました。

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今回、「お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな」の広報活動も担う学芸員兼コーディネーターの中畑伶威さんに施設についてお話をお伺いしました。

この場所で太閤堤の史跡が見つかったことから、宇治市が土地を整備し、歴史公園の計画が立ちました。そして、せっかくなら宇治茶に関する常設展ができる場所が宇治にあったら良いなという想いから、ミュージアム要素も持つ施設「お茶と宇治のまち歴史交流館 茶づな」が建設されることになったのだそうです。

 

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早速、施設内部を見せてもらいました。交流館「茶づな」は、吹き抜けの空間が素敵な二階建てとなっています。

 

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ガラス張りの、開放感溢れるデザインが特徴です。

 

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エントランスをくぐると迫力満点の水墨画が目に飛び込んできます。宇治市観光大使も務める、宇治市出身の武人画師・こうじょう雅之(※)氏のこちらの作品。個人的に生で拝見するのをとっても楽しみにしていたので、見るなり大興奮してしまいました。

※こうじょう雅之:水墨画家・イラストレーター。2014年より「武人画」アーティストとして活躍中。

 

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公募によって決まった「茶づな」という名前。公募当時、宇治市内の高校に通っていた川島功奨さんの作品で『宇治のお茶が1本のつなのようにたくさんの人と歴史をつなぐ』という願いが込められています。そのコンセプトをベースに考案された写真の素敵なロゴマークも、武人画師・こうじょう雅之氏によるものです。

ゲーム感覚で宇治の情報収集ができる

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「茶づな」は、宇治の魅力を伝える情報発信施設として、ここを拠点に宇治の街を周遊してもらうことを目的としていることから、様々な情報を入手できるようになっています。
エントランスを入ってすぐの「トオリニワ」と名付けられた無料エリアにあるガイダンスゾーンでは、タッチパネル式のデジタルサイネージで宇治の情報をゲーム感覚で入手できます。

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無料でスマートフォンに宇治のまちの情報をダウンロードしたり、デジタルスタンプラリーも楽しめるようになっています。

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英語翻訳バージョンもあるので、グローバルに対応可能。学芸員スタッフがガイドをしてくれるサービスもあるそうです(有料)。

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ライブラリーゾーンにある掲示板「宇治まちさんぽ」では、宇治の食べ物屋さんほか、様々なスポットを紹介しています。

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「なびかーど」というこちらのカードを持って店舗を訪れると、「100円値引き」「お団子1本サービス」など、カードに記載されている特典が受けられる施設もあります。これは嬉しいサービスですね。
お店のカードは後日「茶づな」に返却されるというエコも意識した仕組みも作られています。

宇治の歴史と伝統にちなんだ体験プログラムを日替わりで

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こちらの施設の大きな目玉の一つと言えるのが「体験プログラム」です!
宇治の歴史や伝統工芸にまつわるモノやコトが体験可能、20近い外部事業者さんが参画しているそうで、1日8コマ、毎日それぞれ異なるプログラムが体験できるようにスケジューリングされるというから驚きです。

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「訪れた方に宇治の魅力を知ってもらうのと同時に、宇治で事業を展開する方々がこのプログラムに参画、協力することで認知度アップや販路拡大にも繋がる」と中畑さん。
まさにネーミングの通り「つなぐ」が体現されているというわけですね。

実際にチャレンジ!お抹茶体験

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というわけで、私もトライさせていただきました!お抹茶体験。
京都の寺社仏閣などで庭園を鑑賞しながらお抹茶をいただくことはもちろん体験したことがありますが、自分でお茶を点てるというのは初めて。ドキドキワクワクのお抹茶体験の始まり〜♪

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通常は、お茶碗は選べませんが、今回は取材ということで特別にお茶碗を選ばせていただきました。写真映えするお花柄の器に決定!

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体験プログラムは2つの体験ルームで開催され、全て1コマ1時間程度の内容になっているそうです。お抹茶体験では、先生の見本を一通り見ながら手順を把握し、まずは先生のお点前をいただきます。そして二服目を自分でチャレンジ!という流れ。

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お茶の葉を臼で挽くところから体験できるんですが、これが結構重い。お茶の葉っぱを少しずつ入れていき、反時計回りに回すと石に擦れて挽かれたお茶が下から出てくるという構造。

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一秒に一回転くらいのスピードで15分ほどするとお抹茶一杯分程度(2~3g)のお茶が挽けるんですが、筋力にはまあまあ自信のある私でも、一周するだけでも結構な力が要ります。筋肉痛必至。心してお試しあれ(笑)。

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次に、なつめ(抹茶の粉を入れる容器)から茶杓でお抹茶を掬い茶碗に移します。お湯を注ぎ、茶筅を使い、いざ! 

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「脇を締めて手首のスナップを効かせてシャカシャカシャカと川の字を描くように」「左手はL字型に」「きめ細やかな泡が立てばOK」「最後は一周お抹茶の表面にののじを書いて茶筅をトンと置く」と先生が点て方を教えてくださいますので、初めての方でも安心です。もちろんピシッと叱られることもありませんのでご心配なく♪

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では、自分で点てた初めてのお点前をいただきます!
正面の絵柄が少しずれるように二回手前に動かし、まさしく「お抹茶をいただきます」という感謝の気持ちを込めて、最後までしっかりといただくのが礼儀なのだとか。
粉っぽい場合は点て方が甘い証拠だそうですが、全く粉っぽい感じはなく、綺麗に点てられたのではないかと得意の自画自賛。

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お抹茶体験では、宇治の和菓子屋さんの美味しい生菓子も一緒にいただけますよ。

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初めてのお抹茶体験でしたが、なんだか背筋がシャンとする感じがしました。ぶくぶくというお湯を注ぐ音や、シャカシャカシャカという茶筅の音が耳に心地よく、心が落ち着きました。

もちろんご自身で体験されることをオススメしますが、「茶づな」さんのFacebookページに音にちなんだ動画シリーズがあり、こちらの音を聞くことができますので、そちらもチェックしてみてください!
https://fb.watch/8y874smPB9/

岩井製菓さんによる飴作り体験も

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取材に訪れたこの日は、ラッキーなことに岩井製菓さんによる飴作り体験の動画撮影をされるということで、その様子も見学させていただきました。
岩井製菓さんというと、交流館「茶づな」のすぐ隣に本社を構える今年で創業57周年の手作り飴屋さん。「合成着色料・添加物は出来る限り使用しない」「香ばしい風味」「品のある色・形」をモットーに、昔ながらの地釜で丹念に煮詰め、熟練した技でひとつひとつ丁寧に飴を作られています。

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そんな京飴の伝統の技を直に教えてもらえるなんて贅沢ですよね。
この日教えてもらったのは、岩井製菓さんでも一番人気という、宇治の抹茶を練りこんだ抹茶飴。
講師は本社工場長の中橋甲介さん。そして体験するのは岩井製菓営業企画部課長の村山直寛さんのご長男・村山天鐘くん小学5年生。

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お父さんからこの日突然出演オファーをされたらしく、少々緊張している様子の天鐘くんでしたが、先生の説明をしっかり聞きながら行程を進めていきます。火にかけすぎると焦げ付いたり、手早くしないと固まってしまったりと、素人には難しそうにも感じますが、そこは先生がうまくフォローしてくれるのでお子さんでも大丈夫。

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温かい飴は、一見スライムのように柔らかく、それを棒状に伸ばし、手早く一口サイズにカットしていきます。

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袋に詰めて出来上がり〜!! 天鐘くんの作った出来立ての飴を試食させていただきました!

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あったかい飴のなんとも美味しいことでしょう……抹茶の風味も抜群でした。
「出来立ての飴ってこんなに美味しいの!?」という感覚、ぜひ皆さんも体感してみてください!!

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今回ご紹介したお抹茶体験、飴作り体験のほか、日本茶インストラクターによる美味しいお茶の淹れ方講座や茶筒作り体験、宇治市出身クリエイターによる多彩なワークショップなど、様々なプログラムが予定されています。
体験プログラムのスケジュールなど詳細はHPでご確認を(要予約)。
https://chazunayoyaku.rsvsys.jp/

宇治のまちと宇治茶の歴史がわかるミュージアム

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目玉の体験エリアを堪能した後、もうひとつの目玉であるミュージアムも見せていただきました。
エントランスを入って右手にある「茶」と書かれた緑の暖簾の向こうがミュージアムです。
有料ゾーンなので券売機でチケットを購入しましょう(一般 600円、小中高生 300円、幼児 無料)。なお、通常は内部撮影NGなのでご注意くださいね。

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ミュージアム内には「宇治茶の間」と「歴史の間」があり、「宇治茶の間」では、宇治茶って、どうやって作られているの?いつ誕生したの?玉露と煎茶の違いって何?など、お茶に関する疑問をデジタル展示で紹介されていたり、実際に手で触れて体感できるようになっています。

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また「歴史の間」では、宇治のまちや宇治川が悠久の時を超えてどのような変化を遂げ、どんな歴史があったのか?デジタル展示も交えつつ、楽しく知ることができます。4Kハイビジョンの大スクリーンで見る現在の「うじ名所図会(めいしょずえ)」は圧巻ですよ!

その他、館内のおすすめスポット

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2Fには宇治川や宇治の山並みを一望できる展望テラスも。周りに高層の建物がなく空が広いので壮観な景色を堪能できます。

中畑さんのお気に入りビューは、着任して一度だけ見ることができたという、宇治駅に入ってくる京阪電車に交わるかのようにJRが通過していくシーンだとか。激レアだそうなので、見られたらラッキーですよ!

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2Fにはプロジェクター、スクリーン、ワイヤレスマイクも備えた貸し会議室もありますので、講座や会議などでの利用も可能。パーテーションで区切ることもできて、最大100人収容。

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お手洗いや授乳室などのアイコンもさりげなくてキュートですね。

グルメもチェック!岩井製菓直営のレストラン「とにまる」

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また、交流館「茶づな」1Fには岩井製菓直営のレストラン「とにまる 茶づな本店」が入っています。京都駅ビルThe CUBEや清水寺茶碗坂などにも店舗を構え、ひやしあめや宇治茶スイーツが人気の「とにまる」。

f:id:kyotoside_writer:20211012071513j:plain茶づな本店でも、ひやしあめや、抹茶パフェなどの宇治らしいスイーツはもちろんのこと、太閤堤をイメージした「太閤堤カレー」などのフードメニューも楽しめます。

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清々しい光が差し込むガラス張りの店内からは歴史公園が一望。目に優しい景色を楽しみながらお茶やお食事をいただけます。テラス席もあるので、お天気のいい日はテラスで秋風を感じながらというのも心地いいでしょうね。

宇治や京都にちなんだグッズも販売!

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交流館「茶づな」の1Fスペースの一角ではメイド・イン宇治や京都のグッズも販売されています。もちろんお土産や自分用に購入するために展示されている商品たちですが、中には体験プログラムで作ることのできる商品もあるので、ここでチェックをしつつ、自分で手作り体験してみる!というのも良いかもしれませんね。注目の商品を一部ご紹介します。

爪に優しいキュートな胡粉ネイル

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日本画などに使用される色彩のネイル。胡粉ネイルはナチュラル仕様で、爪に優しく、特殊石鹸でオフもしやすいんだとか。カラフルポップな色調に、「おそら」など和風なネーミングも可愛い。

「茶づな」オリジナル抗菌マスク

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巷で人気のお茶シートマスクを作っている会社さんがオリジナル商品を作成。こちらの抗菌マスクもその一つ。

茶葉を使ったエコ・プリザーブドフラワー

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捨てられてしまう茶葉をプリザーブドフラワーと一緒に造形。こちらも体験プログラムで作成可能(体験プログラムでは横に立てるタイプではなく上向きに置くタイプのみ)。

音色に癒される“おりん”

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こちらは、仏具の「おりん」です。普通のおりんは音が波打つものが多いそうですが、こちらのおりんはスーッと一定の伸びやかな音で、とても心地いい音色をしていました。お気に入りの音色を見つけてしまい、思わず何度も鳴らしてしまったほど(笑)。

f:id:kyotoside_writer:20211010154752j:plainこのおりんも体験プログラムがあるんです。Appleと提携しておりん一つ一つの音色をデータ登録していて、自分で癒される音を組み合わせて、その音声データを持ち帰れるというユニークな体験プログラム。1音1音おりんの音が違うので、自分だけのヒーリングサウンズを作ることができるんだとか。おもしろそうですよね〜!

35万円の金箔宇治橋

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ユニークなのがこちら。宇治橋を模った置物なんですが、写真左の親柱のモチーフはなんと12万円!そして右の橋は金箔が貼られているそうで、こちらはなんと35万円!受注販売の商品だそうです。「持ち上げてみてください」と言われ、なんとか持ち上げられましたが、どちらもめちゃめちゃ重かったです。

8K印刷で高精細なショップバッグ

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エコを意識した「取っておきたくなる、プライベートでも使いたくなる」ショップバッグは、お茶をイメージしたグリーンが基調の市松模様と日本画がマッチして、とても目を惹く素敵な仕上がり。実はこの日本画、文化財などの復元なども手がけられる宇治の地元企業さんの高い印刷技術を駆使した8K印刷なんだとか。

外も魅力がいっぱい!「歴史公園」をご紹介

「史跡ゾーン」と「交流ゾーン」

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交流館「茶づな」の建物内を一通り拝見した後は、外に広がる歴史公園を案内していただきました。

歴史公園は、宇治茶の魅力と宇治の歴史・文化へ誘う玄関口として、「史跡ゾーン」と「交流ゾーン」があります。史跡ゾーンでは、史跡宇治川太閤堤跡が築造されてから埋没していく歴史的変遷や護岸の連続性・スケール感を創出し、時間の経過とともに砂洲が形成され、茶園として利用された時代の様子(江戸末期~明治初期)が再現されています。

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「交流ゾーン」は芝生が広がっているので、レジャーシートを広げて宇治の美味しいテイクアウトフードをいただくなんて使い方もオススメ!

太閤堤を完全再現!

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太閤堤とは今からおよそ400年前、豊臣秀吉が宇治川に作った堤防のことを言います。豊臣秀吉が、文禄3年(1594)に完成した伏見城築城を機に、大規模な治水工事を実施。宇治橋下流から分流していた宇治川の水路を改良し物資の運搬をスムーズに。それに伴い、この辺りに設置されたのが太閤堤と呼ばれるものです。歴史公園内の「史跡ゾーン」ではその太閤堤が再現されています。

実際はこの2m下に本物の見つかった太閤堤の護岸があるのだとか。コンクリートとシリコンを使ってGRCパネルという特殊な復元の仕方が採用されています。

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杭の大きさや打ち方がそれぞれ異なっているのが見てとれます。大きなものは水の衝突を抑えるためのもの、石が流れていかないようにするためのものなど杭を打つ場所によって杭の高さ、大きさなどが変えられているそうで、これらも当時のものを再現しているのだとか。当時の技術の素晴らしさなども含め、しっかりと伝えるために緻密に復元、再現されています(太閤堤見学は9:00〜17:00)。

透明パネルで当時の様子をイメージ

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公園の敷地内には宇治の歴史を物語る、シースルーデザインの案内ボードが点在しています。もちろん説明文を読むだけでも意味はあるんですが、実は“とある楽しみ方”が隠されているんです。

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その楽しみ方とは、透明部分に描かれているイラスト。実はこれは、太閤堤が実際あった当時の景色だと言います。 今現在の景色と重ねて見ると……当時はここまで川だったのかぁ〜なんてことがわかるという仕組みになっています。

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広場に点在しているので、「こうか?この角度か?」なんて言いながら、脚筋力をしっかり使って中腰になったり、背伸びをしたりしながら重なるポイントを探して楽しんでくださいね。「秀吉が見た景色はこんな感じだったのかしら〜?」などと古に想いを馳せ、私も歴女ぶってみました(笑)。

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芝生の緑がまばゆい公園スペースにはベンチも点在しているので、京阪電車がホームに入ってくる様子を見ながらほっこりできます。鉄道好きのお子さん連れにもオススメなロケーション。京阪電車のみならずJRが走る姿も見られますよ。

コスチュームを着て茶摘み体験も

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水はけの良い宇治川の中州はお茶の栽培に最適と営まれた茶園の景観を再現した修景茶園。宇治では、茶畑に覆いをかける覆下栽培(おおいしたさいばい)と呼ばれる伝統的な方法でお茶を生産したそうです。

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「茶づな」では本物の茶園での茶摘み体験も楽しむことができます。しかも、子供用、大人用それぞれ貸し出し用の茶摘み衣装もあるので、コスチュームを着て茶摘み体験ができますよ!

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「茶づな」の茶園では、いろんな種類のお茶を時期を変えて景観の一部として植えているのだとか。基本的に収穫は春と秋の年2回。お茶は「1芯2葉(いっしんによう)で摘む」らしく、ツヤがあって柔らかめが摘み頃なのだそう。実際、いくつか触ってみましたが、確かに固さが全然違いました。

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宇治の茶園では4月頃から覆いをかけることで、旨味の強い碾茶(抹茶)や玉露ができるのだとか。覆いは本来、丸太と竹で棚を作り、その上によしずを広げ、わらを敷き「本ず」と呼ばれています。

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茶園にある小屋は、それらの長尺の資材を入れるため、間口が狭く奥行きの長いことが特徴で「覆小屋(おおいこや)」と呼ばれています。この覆小屋も、白川に現存する小屋を参考に伝統的な技法を用いて再現されています。

夕暮れ時は要チェック!ダイヤモンド富士ならぬダイヤモンド宇治

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今回、案内してくれた学芸員の中畑さんが、スタッフならではの見どころを教えてくれました。

周囲に遮るものがほとんどないこともあり、山の稜線が美しく見える「茶づな」からの夕景、それは格別の美しさなのだそうです。

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マゼンダカラーの夕焼けや、「ダイヤモンド富士」ならぬ「ダイヤモンド宇治」が見えるとのことで、この日もカメラマンとスタンバイ。見事な「ダイヤモンド宇治」を見る事ができました。皆さんもぜひ、一日しっかり楽しんだ後に、この景色も見てみてください。

f:id:kyotoside_writer:20211010151632j:plain陽が落ちると館内のライトが浮かび上がり、また日中とは違う雰囲気が楽しめます。

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ちなみに、館内のライトにもこんな仕掛けが。床に落ちるライトの影も風情があって素敵なんです。

宇治茶は人を人とをつなぐツール

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「宇治茶は、文化的なものもそうですけど、人とつながるのにいい材料というか、いいきっかけになると思うんです。急須でお茶を淹れる。そして、それを待つ。『はい、どうぞ』ってお茶を出しておもてなしをする。他愛もないことなんです。でも、お茶の文化って場を和ませる力があったり、世代を超えて繋がることができる。一つのツールになると思うんです」と、中畑さんは語ります。

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大学在学中にお茶の魅力にハマり、「宇治茶レンジャー」の代表として宇治のまちおこし的な活動をされていた中畑さんを筆頭に、ユニークな経歴を持つ方々で構成されているという茶づなスタッフの皆さん。宇治茶の歴史や文化を語り告ぐ「宇治茶伝道師」と言われる方や、日本茶インストラクターや着付け&書道の先生、宇治で幼稚園の先生をされていて地元では「先生」と呼ばれている方、さらにはハワイ育ちの方と個性豊か。いろんな目線で宇治の魅力を伝えてくれることでしょう。ぜひ立ち寄ってみてくださいね!

 

■■INFORMATION■■

お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな
宇治市菟道丸山203-1
休館日:なし(施設点検、気象状況などで臨時休業をする場合あり)
営業時間:9:00~17:00(ミュージアムの最終入場時間16:30)
ミュージアム入場料金:一般 600円、小人(小中高生) 300円、幼児(〜6歳)無料

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中野里美

中野里美
施設のことはもちろん、宇治の歴史や宇治茶についてとてもわかりやすく教えてくださった中畑さん。幼少期からピアノをされていて、作曲もお手の物。実は「茶づな」の館内に流れるBGMは中畑さんが即興で作曲した曲たち。My gurdian angelである藤井○くんがスタジアムの芝生にピアノ一台というライブを行いましたが、中畑さんも「茶づな」の芝生広場でも、そういったピアノライブやいろんなイベントを企画していく予定と、未来に胸踊らせている姿がとっても印象的でした♪

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