京都府北部・丹後の織物といえば表面に凹凸状のシボがある「丹後ちりめん」が有名。でも“なんとなく高級そう”、“着物を着ないからよく分からない”という方も多いのでは? いやいやこれが、そんなことないんですよ。この度、丹後ちりめん創業300年を記念して従来のイメージをくつがえすような新テキスタイル ブランドがオープン。一体、どんなブランドなのでしょう。
丹後といえば、丹後ちりめん?
丹後地方で絹織物が始まったのは今から1300年も前のこと。「丹後ちりめん」は、この織物の歴史ある地に300年前から始まった技法です。ゆえに丹後には「丹後ちりめん」だけでなく、様々なテクスチャーやデザインの織物を作っている機屋(はたや=機を織る家)さんが沢山あるのです。そこで今年、丹後ちりめん創業300年を迎えるにあたり、丹後ちりめんを含めた丹後の素晴らしい織物を世界に向けて発信しようと、従来の「丹後ちりめん」と共存する新ブランド「TANGO OPEN」が立ち上がりました。
この「TANGO OPEN」は今まで培ってきた丹後の織物技術をいかしつつ、新しい技術やデザインを取り入れ、洋服やインテリアなどライフスタイル全般のテキスタイルを世界に向けて発信するブランド。すでに2018年からスタートし、様々な認定基準をクリアした丹後の業者さんたちが参加しています(以前、工場見学をさせていただいた田勇機業さんもメンバーなんですね)。
おしゃれなブランドロゴを作成したのは世界的に活躍しているグラフィックデザイナーの北川一成さん。「始まり」と「開く」いう意味を持つOPEN。日本から世界へと道を切り開き、また新しい価値観も受け入れていくという双方向のコミュニケ―ションを促す意味も込められているのだとか。またロゴの「TAN」と「GO」に少し隙間があるのは、GO! という意味も含まれているんだそうですよ。
参加されている機屋さんのテキスタイルを拝見すると、貝殻を薄く削り和紙に貼りつけて糸状にして織り込んだり、藤のツルを織り込んだり、ちりめんにカラフルなデザインをほどこしたりと多種多様。
織の技術はこんなにも幅広いのだと驚かされます。
2018年から2年続けてフランスのパリで開催された高級インテリアと雑貨の国際見本市「MAISON&OBJET(メゾン・エ・オブジェ)」に出展。2019年はフランスのリヨンで開催された「Silk in Lyon 絹フェスティバル」にも出展し、ハイブランドや有名セレクトショップとのコラボなどもすでに実現しているんですって。今年も海外への出展を予定しているそうですよ。どんなテキスタイルが紹介されるのか楽しみ!
「TANGO OPEN」のテキスタイルを見ていると丹後の織物の見方がちょっと変わりそう。もっともっと世界中の人に知ってもらえたら素敵だなぁ。これからますます飛躍していく「TANGO OPEN」ブランド。百貨店やセレクトショップでロゴをみかけたら、ぜひチェックしてみてくださいね。
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