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電車でカタコト♪あの町この町 JR・丹鉄福知山駅 〜明智光秀ゆかりの福知山を歩く〜

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f:id:kyotoside_writer:20180719002258j:plain電車で舞鶴・宮津方面に行く時、車窓から見える福知山城。みなさん福知山城に行かれたことはありますか? 福知山城の初代城主は大河のテーマにも決まった今、一番ホットな武将・明智光秀! しかも城下町も残っていて、なんだか面白そうな街なんです。ちょっと駅を降りて探検に行きませんか?

 

福知山に来たら、まずは行きたい福知山城

f:id:kyotoside_writer:20180719002401j:plain駅を降りたら、まずは観光案内所へ。旅の基本はやはりこれ! 案内所で地図や町の情報をゲットして、今日は自転車を借ることにしました。こちらでは手荷物を預かってくれるだけでなくレンタサイクル(普通・電動)も利用できます。観光情報やマップをゲットして福知山の街歩きの準備はバッチリ。

 

f:id:kyotoside_writer:20180716194910j:plainこちらは今回、散策したエリアのマップ(記者作)。福知山に来たからには、まずはお城! ということで広いお城通を東へ。福知山は昭和初期までは交通の要衝として栄えた地。自転車で走りながら見ると結構、昭和のモダ~ンなビルが残っているんですね。そんな街並みを楽しみながら、

 

f:id:kyotoside_writer:20180719002543j:plain走ること10分程でお城へ到着。お城へ向かう坂道はかなり急なので、お城の下で自転車を停めて登ります。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719003711j:plain3層4階の天守閣。京都府下、北近畿で登ることができる唯一の天守閣

福知山城は明智光秀が織田信長の命を受けて丹波を平定した際、西国攻略の拠点として天正7年(1579)頃、築かれたお城。明治時代に廃城になり取り壊されましたが、昭和61年に市民の力で天守閣が復元されました。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719003627j:plain現在、お城の中は郷土資料館になっており、今日は特別に市役所の和田直樹さんに案内していただきました。今、解説していただいているのは明智光秀軍の規律が書かれた『明智光秀家中軍法』光秀に関わる2通の書状。いずれも市内にある、明智光秀を祀る御霊神社の所蔵です(資料館ではレプリカを展示)。家中軍法は本能寺の変の1年前に制定されたもので、戦場では大声を出したり雑談してはいけない、勝手な行動をしていけない、連絡をしっかりすることなど18条が記されています。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719002758j:plainこちらの部屋では明智の桔梗紋が付いた兜をかぶり肖像画の前で記念撮影ができちゃいます!
さらに、この部屋では11月に将棋の竜王戦が行われるんですって!!! 正式には第31期竜王戦七番勝負 第4局。永世竜王の羽生善治さんと挑戦者(9月までに決定)が戦います。明智光秀縁のお城で竜王が決定するなんて考えるだけでドラマチック~。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719002610j:plainさて階段を上がって4階の天守に到着。眺めが最高でした! 山並みが美しく、酒呑童子で知られる大江山や織田信長の『信長公記』にも登場する鬼ヶ城が一望できます。そして、ここからは城下街がよく見えるんです。「明智光秀が領民から慕われたのは、治水や税金免除を行ったこともありますが、やはり今に繋がる城下町の基礎を作ったことが大きいのではないかなと思います」と和田さん。そう、光秀は下剋上なイメージもありますが領民に慕われ善政を敷いた良い領主なんですよね。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719003743j:plainさて、天守閣を降りると正面にあるのが、豊磐(とよいわ)の井戸。深さが50mもあり、隣をながれる由良川の川底より深いんですって! 城郭の本丸内湛水井としては日本一の深井戸だそう。今も水をたたえています。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719003858j:plain
天守の石垣の一部は光秀当時のものだそうで、歩いていると、わっ、石垣に墓石が入っていますよ!!!

 

f:id:kyotoside_writer:20180719003900j:plain石垣は明智光秀が城を築いた当時のもの

ほら、このとおり。和田さんに伺うと「転用石といって五輪塔や宝篋印塔(ほうきょういんとう)が石垣の一部に使われているんです」。これは織田信長に関わる城に共通するものだそうで、諸説ありますが旧勢力の象徴である寺院から石を集め石垣にすることで支配を示そうとしたのだとか。ですが「光秀は集めるだけでなく、寺院に代用石を配ったとも伝えられています」。うーん、上司の命は守りつつ、新たな統治者としての心配りも忘れない光秀、さすがです。

 

ドッコイセ~♪の街、福知山

f:id:kyotoside_writer:20180719003930j:plain福知山駅前にあるドッコイセ踊りの銅像。「明智光秀 丹後をひろめ ひろめ 丹後の福知山」など光秀に関する歌詞もある

さて、お城を辞して南へ。福知山といえば「ドッコイセ♪」と唄われる福知山音頭。明智光秀が福知山城を築いた時、領民たちが石材や木材を運ぶのに「ドッコイセ」と掛け声をかけ、それに手ぶり脚ぶりが付き、面白く歌い出したのが始まりなんですって。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719004002j:plainこちらではその「踊せんべい」で有名なちきり屋さん。大正9年創業、100年近く続く老舗で、現在は3代目と4代目が店を守っています。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719004359j:plain踊せんべい 1枚108円。贈答用もあります

おせんべいは一子相伝の製法で焼かれています。材料はいたってシンプル。特に飼料にこだわった生みたて卵を使用。その卵の水分のみで生地をこねるのだそうです。見た目は瓦せんべいのようですが、パリッとして決してモソモソしません。焼きの香ばしさと優しい卵の美味しさが感じられ、「『これ、おせんべいなんですか?』と言う、お客様もいるんですよ」と奥様。たしかに!クッキーのような甘味と食感があります。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719011340j:plain福知山アイス 1ヶ360円

4代目ご夫婦が考案したのが、このアイスクリーム。踊りせんべいで、ほうじ茶やミルク、イチゴアイスを包んだ逸品。昔ながらのおせんべいが、こんなにもアイスに合うなんて。これもこだわり卵たっぷりの生地で焼き上げる製法のゆえんですね。

 

明智光秀が行った治水

f:id:kyotoside_writer:20180719004437j:plainさて、アイスで涼をチャージし再び自転車に。由良川沿いの土手を走ります。左に見えるのは明智藪。今はこんなにも整備されている広い由良川ですが、古くから何度も氾濫を起こしてきた川でした。明智光秀は城下町の建設に伴い、福知山の街中まで蛇行していた(推定)由良川の流れを北に付け替えて堤防を築き、その前に水の衝撃を和らげるための藪を設けたんですって。あのこんもりとした明智藪には、そんな伝説が残っています。

 

福知山の城下町を自転車でぶらぶら

f:id:kyotoside_writer:20180719004506j:plain自転車で走ったらお腹がすいてきました。音無瀬橋から下へ降りて、古い町並みが残る下柳町へ。お昼はその中の一軒、美しい格子が目を引く柳町さんへ行くことにしました。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719005328j:plain奥に庭を眺める趣きある佇まい

こちらは明治築の町家を改修したお店で、福知山の鴨すき屋「鳥名子」の姉妹店。本店は大衆的な雰囲気の中で食事が楽しめるのが魅力ですが、こちらはカフェバーやギャラリーを併設し、デートや接待などにも使えるお店です。ちなみに東京の恵比寿や三軒茶屋にも支店があるんですって。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719005402j:plainお昼のおすすめはこれ!京地どりの親子丼900円

ランチは唐揚げや週替わりの定食もありますが、今回いただいたのが、こだわりの親子丼。福知山の卵に岡本さんの京地どりのモモ肉のみを使用しています。濃厚な汁と、しっかりとした肉質の鶏皮をさっと炭火で炙ることで香ばしさがプラスされ奥行きのある味わいに。地の味噌と野菜を使った味噌汁にほっこり癒されます。

 f:id:kyotoside_writer:20180719005405j:plain鴨すき1人前2500円(注文は2人より)

店自慢の鴨すきはお昼にいただくことも可能。最初にお出汁の中に鴨団子を入れて旨味を倍増させた後、鴨と福知山産九条ネギをさっとくぐらせていただききます。〆に自家製の蕎麦や雑炊などをにすれば、旨味たっぷりの出汁が余すことなく堪能できます。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719005900j:plain続いて訪れたのが下柳町の一本西、菱屋町に立つ谷垣酒屋明治29年創業の造り酒屋。現在は別の酒蔵で銘酒「菊乃春」を醸造してもらい販売だけされています。こちらでは、味醂も作っていてオススメです。入口を振り返ると

 

f:id:kyotoside_writer:20180719005453j:plain木の滑車が付いていてロープで上げ下ろしをする。結構、重い!

玄関が吊り下げ式の大戸(おおと)になっているのを発見。滑車が付いていて戸が上下に上げ降ろしできるんです。お店の方に伺うと「今でいうシャッターですよね。夜は降ろして引き戸で出入りをするんですよ。やってみましょうか」と、実演してくださいましした。ロープを緩めると舞台のセットのように戸が上から降りてくるんです! 「北近畿でこの大戸を今も使っているのは、うちを含めて2軒みたいですね」。貴重なものを見せていただきました。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719010805j:plainさて、広小路商店街を渡ったところにあるのがレトロな新町商店街内記新町商店街。この通り、いい感じなんです。今はやめてしまったお店が多いですが、古い看板やシャッターに賑やかだった往時が伺えます。かわいいカフェもありましたよ。
ちなみに毎月第4日曜日は「福知山ワンダーマーケット」を開催!色々なお店がでて賑やか。オススメです~。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719010012j:plain途中で一本東の長町へ。洋館の銭湯「桜湯」を発見

 

f:id:kyotoside_writer:20180719013759j:plainさらに行くと製麺所が。張り紙を見るとカレーうどんや旨辛冷麺などがあり、小売りもしてくれそう。なんだか美味しそうな予感がして冷やし中華を購入しました。こちらは創業60年以上、3代続く吉見製麺所。ご主人に伺うとこの辺りは昔から良質な地下水が出る地で、今も井戸水使で製麺しているのだとか。帰って早速食べたのですが予感的中! 麺がもっちもちでした。他にもひやむぎや中華麺が生麺や茹で麺など豊富にありましたよ。

 

領民に愛された明智光秀公の霊をまつる御霊神社へ

f:id:kyotoside_writer:20180719011413j:plain今度は広小路商店街を西へ。突き当りにあるのが明智光秀公の霊をまつり、光秀直筆の書状や家中軍法を蔵している御霊神社です。光秀は本能寺の変の後、山崎の合戦で敗れ、その生涯を閉じますが、地元の人々からは丹波の国を治めた「名君」として愛されています。江戸時代に福知山で火災、水害、地震など災害が頻発。それが「光秀の祟りではないか」と考えられるようになり、1705年に稲荷さんをお祀りしていた同社に合祀してお祀りされたのが始まりです。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719011419j:plain御霊神社跡。後ろに見えるのが現在の御霊神社

御霊神社はかつて広小路通に面していたのですが、大正7年、現在の高台に移転されました。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719012131j:plain立派な本殿はケヤキ造り。彫り物も見事。主棟鬼飾りには桔梗紋が

宮司さんにお話を伺うと、光秀が福知山に配属した当時「この辺りは地侍や盗賊が多く、光秀公はそれらを排除して住みやすい町にしたんですね。そして地子銭(じしせん)と呼ばれる土地税を免除したんです。これは明治に地租改正が行われるまで続いたんですよ。すごいことですよね。これにより福知山は早くから商工業が栄えたんです。そういうことも光秀公が愛された理由だと思います」。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719011559j:plain神社の前に広がる御霊公園

さらに面白いお話もしてくださいました。かつて御霊大祭は三丹一のお祭りと言われ、三丹一円から沢山の人がお参り訪れ大変な賑わいだったのだとか。さらに神社前の広い御霊公園には相撲やサーカスも来たんですって! また、明智藪の辺りは夏になると水泳場になり、子供たちは音無瀬橋のたもとにたつ水天宮でお守りをもらって泳いだそうですよ。往時の様子を思いながら歩くと、また一段と趣が増してきます。

 

光秀愛に溢れたスイーツを楽しむ

f:id:kyotoside_writer:20180719011515j:plainお店の前には「明智光秀キターーーーーー!!」の幕が

いろいろ回ったので、ちょっと甘いものがいただきたくなってきました。そこで訪れたのがこちら、その名も明智茶屋

 

f:id:kyotoside_writer:20180719011528j:plain光秀プレートセット900円

ごらんくださいー、桔梗紋がデザインされたこちらの「光秀プレートセット」。光秀の愛した丹波の卵を使った「光秀の愛したプリン」、桔梗紋を焼き印し卵をたっぷり使った「桔梗ロール」、それにクッキー、生チョコの上には桔梗紋の旗が!

 

f:id:kyotoside_writer:20180719012457j:plainこれらのケーキを作っているのが福知山生まれのオーナーシェフ植村勇輝さん。「昔から明智光秀が好きで5年ほど前に明智グッズを探しに縁の地を歩いのですが、他の武将のグッズはあるのに明智のグッズがすぐには見つからず、だったら自分で作ろう!と思ったのが始まりです」。そこで3年前にお店をオープン。お土産として持って帰ることもできるプリンやロールケーキを作ったのだとか。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719012531j:plain店内では大江町で手作りマッチを作っている滝町さんのカワイイ マッチも販売 1個200円

「それに桔梗紋ってカワイイじゃないですか。戦国時代の家紋の中で唯一色がついているというのもオシャレだなと思って。だから店のコンセプトは「戦国×カワイイ」なんです」。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719012538j:plain

そんな植村さんに明智光秀の好きなところを伺うと、「まず一人の奥さん(熙子)を大事にしたエピソード、それから茶の湯連歌などにも詳しくて知的だったこと。上司に物を申すのは難しいことでしょうが、ちゃんと言ったこと。正義感の強い人だったんでしょうね。自分に無いものを沢山持っているのが魅力です。あと農民を大事にしたこともあります。僕の実家が農家なので農民の立場に立って考えてくれる光秀って優しいなあと」。そんな明智光秀愛に溢れたお店には中国から台湾からもファンが訪れるそうですよ。

 

f:id:kyotoside_writer:20180719013156j:plain最後は電車に乗る前に観光案内所でお土産を購入! 明智光秀グッズをはじめ、地元の銘菓などいろいろな面白い商品がありましたよ。

時間があれば、レトロな雰囲気が残るアオイ商店街も行きたいし、新町商店街や内記新町商店街もゆっくり歩きたかったなあ。まだまだ見どころがいっぱいの福知山。また来たいです!

 

■information■

平成30年度 福知山ドッコイセまつり

f:id:kyotoside_writer:20180717161330j:plain写真左は8月15日ドッコイセこども大会の様子。今年のライブパフォーンスは中高生に人気のベリーグッドマン!
広小路通り一帯(福知山市字中ノ)
8月14~16日、24・25日

 

今回おとずれたところ

福知山観光案内所

京都府福知山市駅前町439JR福知山駅北口)
TEL 0773-22-2228
休 年末年始を除き無休
営 9:00~17:00

福知山城

京都府福知山市字内記5
TEL 0773-23-9564
開 9:00~17:00(入館は16:30)
休 火曜(祝日の場合は次の平日)休業:12/28~12/31、1/4~1/6
大人320円、こども(小・中学生)100円

御霊神社

京都府福知山市中ノ町238
TEL 0773-22-2255
境内自由

ちきり屋

京都府福知山市一町23
TEL 0773-22-3632
営 9:00~17:30(土曜は~17:00)
休 日曜、祝日(臨時休業有) 

柳町

京都府福知山市下柳町21
TEL 0773-22-1809
営 11:30〜14:30 (L.O 14:00)/18:00〜23:00 (L.O 22:00) 日・祝は〜22:00 (L.O 21:00)
カフェ・バー 11:00〜25:00 (L.O 24:30)
無休

谷垣酒店

京都府福知山市字菱屋25
TEL 0773-22-3501
営 8:00~18:30
休 日曜、祝日

吉見製麺所

京都府福知山市字西長42
TEL 0773-22-4989
営 10:00~18:00
休 日曜、祝日

明智茶屋

京都府福知山市篠尾新町1丁目1
TEL 0773-24-3210(にしのみつひで)
休 火曜日
営業時間 10:00〜19:00

 

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