今回、編集部が集めたのは京都府が誇る、冬の時期にしか出合えない唯一無二の絶景です!海や森、茶畑や竹林など京都の豊かな自然が織りなす雪景色から冬の恒例行事まで、一度は見ておきたい冬景色をご紹介します。
日本三景・天橋立の雪景色を“股のぞき”で楽しむ
【宮津市】傘松公園・天橋立ビューランド
松島と宮島にならぶ日本三景のひとつ。まるで神様が作ったかのような奇跡の地形「天橋立」が地球上に現れたのはなんと、約4000年前なんですよ。全長約3.6キロの松並木が真っ白な雪に覆われた神秘的な光景は感動もの!この景色が見られるのは、府中エリアにある傘松公園(写真右)と対岸の文殊エリアにある天橋立ビューランド(写真左)から。山の上に位置する傘松公園へはケーブルカーで。また、文珠山山頂の展望遊園地天橋立ビューランドへはリフト・モノレールに乗ってGO!いずれの展望台も“股のぞき”スポットになっているのでぜひ両方制覇してみてください。
■■INFORMATION■■
天橋立
0772-22-8030(天橋立観光協会 )
http://www.amanohashidate.jp
5メートルの巨大な石地蔵の冬支度
【京丹後市】平地地蔵
平智山地蔵院の境内の一角に佇む「平地地蔵」。こちらは台座をあわせると約5mにも及ぶ京都府最大級の石造地蔵菩薩立像です。毎年11月23日、雪よけの頭巾と蓑(みの)を着せる「平地地蔵の蓑着せ」が行われます。「雪の中、寒かろう」との気遣いから始まった蓑着せは、なんと100年も前から続けられてきた丹後の伝統行事。総重量約60kgもの頭巾と蓑を、はしごや竹竿を使って着せこみ、冬に備えます。寒さの中、雪や風に耐え、威風堂々と立つ地蔵菩薩の姿に、丹後の人々は心を打たれてきました。蓑を着た姿は3月中旬(お彼岸の前後)まで見ることができますよ。
■■INFORMATION■■
平地地蔵
0772-64-3982(常林寺)
京丹後市大宮町字上常吉263
境内自由
雪灯籠のほのかな光に浮かびあがる、日本の原風景
【南丹市】美山かやぶきの里雪灯廊
約220年〜150年前に建てられた茅葺き屋根の家がいまも残る美山町の北集落「かやぶきの里」。39棟の茅葺き屋根の民家は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。雄大な山々に囲まれる美山は1月中旬ごろから雪に覆われ、辺りは一面の雪景色が広がります。
茅葺きの屋根にしんしんと雪が降りつもり、静寂に包まれる頃に開催される人気イベントと言えば「美山かやぶきの里雪灯廊」。かやぶき民家がライトアップされ、訪れた人々の手づくり雪灯籠や路地行灯が灯ると、集落一帯が幻想的な雰囲気に包まれます。今年は2024年1月27日(土)〜2月3日(土)。期間中は、雪灯籠を作って会場に並べることができる「雪灯籠づくり体験」コーナーや、美山ならではの食材を使った温かい料理などを提供する「あったか屋台」のテントが並びます。さらに1月31日(水) と 2月3日(土) には18:30~「冬の打ち上げ花火」も。イベントの詳細は特設サイトからチェック。
※雪灯廊駐車場は全日程、全車両事前予約が必要となりますので、予め予約をお済ませの上、お越しください
■■INFORMATION■■
美山かやぶきの里
一般社団法人南丹市美山観光まちづくり協会
0771-75-1906 (観光案内専用ダイヤル)
https://miyamanavi.com/
白銀に包まれた竹の径、足跡のない静寂な世界へ
【向日市】竹の径(みち)
向日市が位置する乙訓(おとくに)エリアは平安初期から語り継がれる「竹取物語」の発祥の地の一つとされています。名産品はたけのこ。美しい”たけのこ畑”が、散策路「竹の径」周辺に広がります。全長約1.8キロ、竹林とともに「竹穂垣」、「かぐや垣」、「海道垣」など8種類の竹垣が続きます。デザインも名前もオリジナルのものがほとんどなんですよ。こちらは、四季の自然と竹林、そして竹垣との調和を愛でながら散策するのがおすすめのスポット。寒さに負けずまっすぐ空に向かって伸びる竹林から凜とした雰囲気が漂っています。積雪した日、早朝に訪れると誰の足跡も無いまっさらな竹の径が続き、静寂に包まれた白銀の世界へと誘われます。
■■INFORMATION■■
竹の径
070-1765-5398(向日市観光協会)
向日市寺戸町芝山~物集女町長野他
見学自由
※Google mapでは「西ノ岡竹林通」と表示されています
雪化粧した鳳凰堂、朝日に照らされて輝く姿は神秘的
【宇治市】平等院
世界遺産「平等院」は、平安時代に藤原道長の息子・頼通が父の別荘を寺院に改め創建したとされる寺院。10円玉でお馴染みの鳳凰堂は、鳳凰が羽を広げたように見えることから江戸時代より「鳳凰堂」と呼ばれるようになりました。春は桜、初夏は藤、秋は紅葉、冬は雪景色・・・と、四季を通じて表情が変わるのも魅力のひとつ。積雪の日、鳳凰堂の屋根に雪が積もると、真っ白な雪と建物の朱が見事なコントラストに。さらに雪化粧した鳳凰堂が朝日に照らされて輝く姿は、神秘的でえもいわれぬ美しさ。南部に位置する宇治市は、本格的な積雪は年に一度あるかないかのエリアなので、かなりレアな光景です。
■■INFORMATION■■
平等院
0774-21-2861
宇治市宇治蓮華116
庭園 8:30~17:30(受付終了は17:15)
平等院ミュージアム鳳翔館 9:00~16:45(受付終了)
鳳凰堂内部 受付9:00~16:10(9:30より拝観開始、以後20分毎に1回50名)
※内部拝観希望者が多数の場合は最終受付以前に終了する場合あり
大人 600円、中高生 400円 、小学生 300円 ※鳳凰堂内部は別途300円
無休
※法要・行事等により、内部拝観をお休みすることあり
https://www.byodoin.or.jp/
冬枯れの大木に、大根がたわわに実る1カ月
【八幡市】達磨堂圓福寺の大根干し
八幡福禄谷にある達磨堂圓福寺は臨済宗の禅道場であることから、現在も多くの僧が修行に励んでいます。毎年12月中旬、修行僧によって行われる「大根干し」は八幡市の冬の風物詩。托鉢(たくはつ)などで集めた約800本の大根を、高さ約15mのイチョウの大木に吊るします。
枯れた大木にたわわに大根が実る不思議な光景に、思わず足を止めて見入ってしまいます!この大根ツリーが見られるのは、1月中旬頃までの約1か月間。天日で干して柔らかくなった大根は樽で約3年漬け込み、たくあんに加工し、修行僧たちの日々の食事に出されます。達磨堂圓福寺は通常非公開。年に2回、春と秋の「万人講」の日のみ特別に公開され、その日は精進料理とともにたくあんも振る舞われます。
■■INFORMATION■■
達磨堂圓福寺
075-981-0142(9:00~16:00)
八幡市八幡福禄谷153
http://empukuji.org/
雪の茶源郷で天空へと続く茶畑を愛でる
【和束町】茶畑
京都府はブランド茶「宇治茶」の一大産地で、800年の歴史と伝統を誇っています。なかでも、和束町では、京都府で生産されるお茶の約4割を生産しています。和束町の茶畑は、京都府景観資産第1号にも登録されており、手入れが行き届いていて一年中美しいと評判なんですよ。積雪の日には、こんな絶景に出合うことも。上の写真は、山の傾斜に沿ってパッチワークのように畝が巡る姿が美しい和束町白栖(しらす)の茶畑です。茶畑の畝を覆う雪景色は白と緑のコントラストが見事、一見の価値あり!
石寺の茶畑は、山肌にどこまでも続く茶畑が芸術的で、ひと目見たら心に残る風景です。白栖も石寺も共におすすめの撮影時間帯はズバリ朝!前日に雪が降った翌朝、訪れてはいかがでしょう。
■■INFORMATION■■
和束の茶畑
0774-78-0300(和束町観光案内所)
白栖はこちら
石寺はこちら