畑や土手に群生し、春の訪れを告げる菜の花。奈良時代に中国から日本に渡来したといわれ、食用だけでなく観賞用としても古くから親しまれてきました。可憐な花が一斉に咲き誇る様子は、まるで黄色い絨毯(じゅうたん)のよう。今回は京都府内で群生するスポットをご紹介します。のどかな景色に包まれて、春を感じるお散歩へ出かけませんか?
菜の花と桜が迎える古刹の参道
【京田辺市】普賢寺 菜の花畑
見頃:3月下旬~4月中旬
天武天皇の勅願により創建された古刹・大御堂観音寺。古くは普賢寺と呼ばれており、この地の地名として残っています。春になると、参道の両脇に広がる菜の花畑が鮮やかな黄色に染まります。お寺へと続く桜並木とのコントラストは、思わず歓声が上がるほどの美しさ。全身で春の到来が感じられるスポットです。
菜の花畑の間にはバリアフリーの回廊が用意されていて、ベビーカーや車いすでも畑の真ん中まで行くことができますよ。家族みんなでゆっくりと楽しむことができますね。
観光協会主催の「ひとやすみフェスティバル」では、普賢寺の菜の花積みを実施。3月30日~4月7日の間、無料で菜の花を持ち帰ることができますよ。ほかにもフェスティバル期間中(3月20日~4月7日)は、マルシェやスタンプラリーなど、京田辺市内各所でさまざまなイベントが行われます。
■■INFORMATION■■
普賢寺 菜の花畑
所在地:京都府京田辺市普賢寺
問い合せ先:0774-68-2810(京田辺市駅ナカ案内所)
※3/30・3/31は大御堂観音寺へ入る参道を車両通行止めのため、大御堂観音寺駐車場はご利用いただけません。普賢寺ふれあいの駅駐車場をご利用ください。
見て食べて感じる春の訪れ
【京都市】大原の漬物店「志ば久」の菜の花畑
見頃:4月中旬頃(※気温などにより前後する可能性あり)
京都市の北部、自然豊かな大原に本社を構える漬物店「志ば久」。自家農園で育てた紫蘇を使った「志ば漬け」が大原名物として愛されています。「志ば久」といえば紫蘇畑のイメージが強いかもしれませんが、裏作で菜の花を育てていることを知っていますか?
春になると、店舗向かいの棚田にのどかな景色が広がります。畑の中は自由に通り抜けができるようになっていますよ。
こちらの菜の花畑は、浅漬けを作るために植えられたもの。漬物になるのは、一番花のつぼみだけです。収穫後、4月下旬ごろに紫蘇畑の緑肥として刈り取られるまでの間、残りの花を楽しんでもらえるようにと開放しています。一つひとつ丁寧に手積みされた菜の花の浅漬けは、4月初旬から秋ごろまで販売されます。菜の花畑を愛でたあと、春の食卓にいかがですか。
■■INFORMATION■■
志ば久
所在地:京都市左京区大原勝林院町58
電話:075-744-4893
時間:9:00~16:00 ※菜の花畑は自由
休み:水曜 ※10月下旬~12初旬までは無休
https://www.shibakyu.jp