初夏の風が心地よく、新緑が美しい季節になりましたね。近年、紅葉と同様に人気があるのが、5月〜7月頃にかけて見頃を迎える「青もみじ」です。瑞々しく茂る青もみじの絶景を眺めに、お出掛けしてみませんか♪
青もみじ越しにみる五重塔と天橋立の絶景
【宮津市】成相寺
例年の見頃:5月頃〜8月頃
天橋立を見下ろす景勝地に立つ成相寺は、身代わり観音、美人観音と称される本尊・聖観世音菩薩が有名な寺院。桜の季節が終わると、本堂や五重塔周辺に数百本もの青もみじが生い茂ります。朱塗りの五重塔は、室町時代の画僧・雪舟の『国宝 天橋立図』に描かれた塔を復元したもので、鎌倉時代の建築様式を本格的に再現した名建築です。
下から見上げる青もみじと五重塔もステキですが、塔のすぐ側にある山道を登り、弁天山展望台からの眺めも見事。
五重塔越しに見える天橋立など、普段とは違う角度から絶景を楽しむことができます。
<周辺立ち寄りスポット>
■■INFORMATION■■
成相寺
京都府宮津市成相寺339
TEL:0772-27-0018
拝観時間:8:00〜16:30
入山料:大人500円
数千本の青もみじが境内を包み込む「丹後のもみじ寺」
【舞鶴市】金剛院
例年の見頃:5月頃〜8月頃
赤れんがパークなどがある東舞鶴の街中から、車でおよそ15分。山に抱かれて佇む金剛院は、三島由紀夫の『金閣寺』にも登場する名刹です。広い境内には樹齢数百年から数十年まで約3000本のもみじが植えられ、「丹後のもみじ寺」としても親しまれています。
門をくぐり、木々に包まれた小径を歩いた先にある長い石段を上がると、本堂と舞台造りの雲山閣があり、ここから見下ろす青もみじは絶景。
また、石段下には室町時代に再建された三重塔(重文)があり、お隣りの鹿原公園からの眺めが素晴らしいので、お参りの後は、ぜひ公園へも立ち寄ってみてください。
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【舞鶴観光】季節ごとに楽しめるスポットから舞鶴グルメまで一挙紹介!
<周辺立ち寄りスポット>
・松榮館
■■INFORMATION■■
金剛院
舞鶴市字鹿原595
TEL:0773-62-1180
拝観時間:9:00~16:00
入山料:300円(宝物殿は別途500円 ※要予約)
水面に映しだされる青もみじの美しさに感動
【綾部市】大本神苑
例年の見頃:5月下旬頃〜7月下旬頃
綾部市の街中にありながら静やかで広大な敷地を誇る大本神苑は、四季折々の草花が咲く市民に開かれた場です。神苑内は木々に囲まれ、特に初夏の青もみじと秋の紅葉が素晴らしいことでも有名。池の水面に映った青もみじの様子は感動的な美しさです。
苑内には平成4年に建てられた20世紀最大の木造建築といわれる長生殿や、江戸時代中期の丹波地方の典型的な農家建造物として国の重要文化財に指定されている「木の花庵」(写真)など、素晴らしい建物が点在しているので、青もみじを楽しみながら気品あふれる美庭を歩いてみましょう。
<周辺立ち寄りスポット>
■■INFORMATION■■
大本神苑
京都府綾部市本宮町1-1(梅松苑)
TEL:0773-42-0187
拝観時間:拝観自由
拝観料:無料(※神殿内部の見学は予約が必要です)
瑞々しい青もみじに囲まれた史跡御土居を散策
【京都市】北野天満宮
例年の見頃:4月上旬〜6月下旬頃
学問の神様・菅原道真公を祀る全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社、北野天満宮。境内には、桃山時代に豊臣秀吉公が築いた御土居の一部が残る「史跡御土居のもみじ苑」があり、現在、青もみじの公開が行われています。
青もみじ苑内には、約350本のイロハモミジやカエデが続く散策路があり、朱塗りの鶯橋や境内を一望できる展望所も見所。紙屋川のせせらぎを聞きながら瑞々しい青もみじの中での散策を楽しむことができます。
また、4月27日(土)から5月6日(月)までは日没から青もみじのライトアップが行われているほか、宝物殿では源氏物語の古写本や約20振りの北野刀剣が公開されているので、こちらもお見逃しなく!
◎史跡御土居 青もみじ公開
期間:2024年4月6日(土)~6月30日(日)
時間:9:00〜16:00(最終受付15:40)
・夜間特別拝観ライトアップ
期間:4月27日(土)〜5月6日(月)
時間:日没~20:00(最終受付19:40)
拝観料:大人(中学生以上)500円/小人(小学生・修学旅行生)250円
◎宝物殿 青もみじ特別公開−天神様と源氏物語−
期間:2024年4月6日(土)~6月30日(日)
時間:9:00〜16:00(最終受付15:45)
拝観料:大人1,000円、中高生500円、小学生・修学旅行生250円
<周辺立ち寄りスポット>
・平野神社
■■INFORMATION■■
北野天満宮
TEL:075-461-0005
住所:京都市上京区馬喰町
拝観時間:7:00~17:00 ※ライトアップ期間・毎月25日は変更あり
拝観料金:境内自由
紫式部も氏神と崇めた大原野神社の青もみじ
【京都市】大原野神社
例年の見頃:4月中旬〜6月下旬頃
桓武天皇が長岡京へ遷都した折、藤原氏の氏神である奈良の春日大社の祭神を分祀したことが創建と伝わる大原野神社。『源氏物語』の作者として知られる紫式部も氏神と崇め、大原野の地をこよなく愛したといわれています。
初夏には一の鳥居から本殿へまっすぐに続く、約200メートルの参道が青もみじで彩られます。
参道の途中には、奈良の猿沢の池に模してつくられた「鯉沢池」があり、朱色の太鼓橋と青もみじ組み合わせはまるで絵に書いたような美しさ。5月中旬頃には睡蓮が咲き、クロード・モネの名画「睡蓮の池と日本の橋」を連想させる光景を見ることができます。
紫式部ゆかりの地についてはこちら▼
【京都歴史探訪】紫式部ゆかりの地を訪ねて
<周辺立ち寄りスポット>
■■INFORMATION■■
大原野神社
京都市西京区大原野南春日町1152
TEL:075-331-0014
拝観時間:拝観自由
拝観料金:無料
2000本もの青もみじの海を眼下に望む絶景
【京都市】大本山 東福寺
例年の見頃:5月頃〜6月頃
1236(嘉禎2)年に摂政・九條道家の発願によって建立された臨済宗の禅寺・東福寺。京都屈指の紅葉の名所として知られ、初夏にはイロハモミジやトウカエデなど約2000本の青もみじが洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれる渓谷を埋め尽くします。
おすすめの観賞スポットは「東福寺三名橋」と称される臥雲橋(がうんきょう)、通天橋(つうてんきょう)、偃月橋(えんげつきょう)のからの眺め。なかでも本堂と開山堂を結ぶ通天橋からは、洗玉澗を覆い尽くさんばかりに広がる、瑞々しい青もみじの海を眼下に望む絶景を楽しむことができます。
<周辺立ち寄りスポット>
・伏見稲荷大社
■■INFORMATION■■
大本山 東福寺
京都市東山区本町15丁目778
TEL:075-561-0087
拝観時間:
4月~10月末まで 9:00~16:00(拝観受付終了:16:00/閉門:16:30)
11月~12月第1日曜日まで 8:30~16:00(拝観受付終了:16:00/閉門:16:30)
12月第1日曜日~3月末まで 9:00~15:30(拝観受付終了:15:30/閉門:16:00)
拝観料金:通天橋・開山堂 通常期拝観料:大人600円、小人300円/11月11日〜12月3日:大人1,000円、小人300円
東福寺本坊庭園(方丈) 通年:大人500円、小人:300円
東福寺本坊庭園(方丈)・通天橋・開山堂共通拝観券 通常期拝観料:大人1,000円、小人:500円/11月11日〜12月3日 共通拝観券:なし
百人一首にも登場する小川沿いで楽しむ青もみじ
【京都市】上賀茂神社
例年の見頃:5月下旬〜7月上旬頃
賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)を御祭神とする上賀茂神社。正式名称を賀茂別雷神社(かもわけいかずちじんじゃ)といい境内全域が世界遺産に登録されています。
広い敷地のいたる所で青もみじを愛でることができ、特に小倉百人一首の「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ 夏の しるしなりける」(藤原家隆)に登場する「ならの小川」沿いでは、心地よい川のせせらぎと青もみじを楽しむことができます。
こちらは境内東側にある末社・岩本神社あたりからみた青もみじと新緑の風景。清々しい空気と爽やかな新緑に心が清まりそうですね。境内には紫式部が参拝したといわれる「片山御子神社(片岡社)」など、たくさんの摂社があるので、青もみじを愛でながらゆっくりお参りしてくださいね。
また、5月15日には『源氏物語』にも描かれている上賀茂神社と下鴨神社の例祭「葵祭」が行われます。平安装束を身に纏った行列が新緑の都大路を練り歩く姿は、王朝絵巻さながらに豪華絢爛です。
紫式部と源氏物語のあらすじはこちら▼
源氏物語のあらすじ解説&紫式部ってどんな人?
葵祭について詳しくはこちら(2023年の記事になります)▼
京都三大祭「葵祭」雅やかな祭礼が4年ぶりに開催!
<周辺立ち寄りスポット>
■■INFORMATION■■
上賀茂神社
京都市北区上賀茂本山339
TEL:075-781-0011
拝観時間:二ノ鳥居 5:30〜17:00/楼門及び授与所 8:00〜16:45
拝観料金:境内無料 ※特別参拝は有料
青もみじと石畳が作り出す荘厳な「もみじ参道」
【長岡京市】光明寺
例年の見頃:5月上旬〜8月頃
紅葉の名所として名高い長岡京市の光明寺。秋の紅葉が有名なので、実はあまり知られていないのですが、初夏は青もみじが約2万坪もの境内を彩る、新緑の穴場スポットです。
おすすめは重厚な総門をくぐった先。左手にある緩やかな坂道の参道。約200mの参道に250本程の紅葉の木が植えられ、もみじのトンネルができることから「もみじ参道」と呼ばれています。
特に青もみじの頃は、美しい石畳と瑞々しい青もみじが作り出す荘厳な雰囲気が大人気。参道の中程にある江戸時代初期に建てられた薬医門の辺りが絶好の撮影ポイントです。
開催中! 京都西山 竹の里・乙訓 青もみじとあじさいの御朱印めぐり
京都西山 竹の里・乙訓エリアにある向日神社、光明寺を含む複数の神社仏閣にて令和6年4月27日(土)~7月31日(水)、期間限定の特別御朱印が授与されます(一部除く)。今年は全25の施設が参加! 新緑の季節、青もみじやあじさいの名所をめぐりながら、特別な御朱印をいただきに行きませんか?
期間:令和6年4月27日(土)~7月31日(水)詳しくは、以下のURLをクリックしてください▼
https://www.city.nagaokakyo.lg.jp/0000012452.html
<周辺立ち寄りスポット>
■■INFORMATION■■
光明寺
京都府長岡京市粟生西条ノ内26-1
TEL:075-955-0002
拝観時間:9:00〜16:00
拝観料金:無料
※混雑緩和のため公共交通機関でお越しください。
緩やかな坂道を彩る爽やかな緑のトンネル
【向日市】向日神社
例年の見頃:5月上旬〜6月下旬
奈良時代の718(養老2)年に創建された向日神社。大鳥居をくぐると約200mの緩やかな坂道の参道の両脇に約40本のもみじが植えられ、爽やかな緑のトンネルが出迎えてくれます。
国の重要文化財に指定されている本殿は室町時代に建立されたもので、東京・明治神宮のモデルといわれる由緒あるもの。
この本殿と13棟の境内社、鮮やかな青もみじの共演は一見の価値があります。 また、7月31日(水)までは、向日神社をはじめとする竹の里・乙訓エリア、25寺社などで「青もみじとあじさいの御朱印めぐり」を実施。初夏の風を感じながら、御朱印めぐりをしてはいかがでしょう。
詳しくは、1つ前の光明寺に記載されている情報をチェックしてくださいね。
<周辺立ち寄りスポット>
■■INFORMATION■■
向日神社
京都府向日市向日町北山65
TEL:075-921-0217
拝観時間:9:00〜16:00(社務所)
拝観料金:無料
水のせせらぎを聞きながら歩く青もみじのトンネル
【宇治市】興聖寺
例年の見頃:4月下旬〜8月下旬
鎌倉初期、宋から帰国した高僧・道元禅師が開創した宇治市の興聖寺。爽やかな青もみじが楽しめるのは、総門から山門にいたる約200mの「琴坂」と呼ばれる参道です。「琴坂」の名は、坂の両脇を流れる水のせせらぎが琴の音のように聞こえたことから名づけられたのだとか。この水音に耳を澄ましながら、頭上を覆うモミジのトンネルを歩けば、ヒーリング効果は抜群!
龍宮城のような特徴的な山門越しから見る青もみじの風景もぜひご覧ください。
<周辺立ち寄りスポット>
■■INFORMATION■■
興聖寺
京都府宇治市宇治山田27-1
TEL:0774-21-2040
拝観時間:10:00~16:00
拝観料金:高校生以上500円
一休さんゆかりの寺で愛でる爽やかな青もみじ
【京田辺市】酬恩庵一休寺
例年の見頃:5月頃〜8月下旬
アニメでお馴染み、トンチの一休さんが晩年を過ごしたことから通称、一休寺の名で愛されている京田辺市の酬恩庵一休寺。交通量の多い幹線道路から徒歩で3分程入っただけなのに緑に包まれ、小鳥がさえずる、まさに市中の山居といった風情のお寺です。
門をくぐると石畳の参道の両脇に苔が敷き詰められ、青もみじのトンネルが出迎えてくれます。緑の色も爽やかな緑色から次第に濃さを増し、さらにサツキや沙羅双樹が咲くなど、訪れる時期によって表情を変えるのも見どころの一つです。
また、方丈庭園も素晴らしく、特に南庭(写真)は宗純王廟と虎丘庵、そして青もみじを借景とし、サツキの刈込と大きな蘇鉄が植えられた典型的な江戸時代の禅苑庭園といわれているもの。訪れたら、ぜひ拝見してくださいね。
酬恩庵一休寺について、詳しくはこちらの記事もチェック!▼
京都・酬恩庵一休寺を徹底解剖!〜ひとやすみ、ひとやすみ~
<周辺立ち寄りスポット>
・寿宝寺
■■INFORMATION■■
酬恩庵一休寺
京都府京田辺市薪里ノ内102
TEL:0774-62-0193
拝観時間:9:00〜17:00(宝物殿 9:30〜16:30)
拝観料金:大人500円、小学生200円、中学生300円、高校生400円