にゃん(2)にゃん(2)にゃん(2)のゴロから、2月22日はネコの日! 飼い猫に何かプレゼントしてあげようかな? お気に入りの猫に会いに行こうかな?……当日が近づくにつれ、きっとソワソワする猫好きさんも多いはず。そんな方にぜひ行っていただきたいスポットが、京丹後市にあるんです。そのスポットとは、丹後半島の付け根、峰山町に鎮座する「金刀比羅神社」。境内にある「木島(きしま)神社」には、全国的にも珍しい狛猫がいるんです。まだ雪の残る2月中旬、その狛猫さんに会いに行ってきました。
旧峰山藩主が讃岐の「こんぴらさん」を深く信仰し勧請
代々、ゆかりのある讃岐金毘羅権現を深く信仰していた旧峰山藩主・京極家。7代藩主・京極高備(きょうごくたかまさ)は、この地に金毘羅社を勧請したいと熱望し、同族である丸亀藩・多度津藩(どちらも現香川県)の両京極家に斡旋を依頼し、文化8(1811)年、「峰山のこんぴらさん」を創建しました。以来、歴代藩主をはじめ町内外の人々から広く信仰を集め、同地が丹後ちりめんの中心地であったことから、特に町内の商工業者や丹後・若狭の海事従事者から崇敬されてきました。広い境内は約6000坪(約2万平方メートル)。旧社殿は昭和2(1927)年の北丹後地震で罹災・倒壊したため、現在はそれ以降に再建された社殿が立ち並んでいます。
木々に包まれた階段を上って木島神社へ
鳥居を抜けると、朱塗りの神門がお出迎え。讃岐の総本宮……には遠く及びませんが、さすがは「こんぴらさん」。ここから本殿までは180段の長い石段が続きます。 これは歩きやすい靴の方がよさそうですね(特に冬は!)。そして門をくぐって次の階段を上りきったところで、左手に狛猫さん発見です!
ちょっと怖いお母さん(仮)と凛としたお父さん(仮)
向かって左には、子猫の頭に手を載せ、「阿(あ)」と口を開けた猫。子猫と一緒にいるあたり、お母さん猫でしょうか。ちょっと表情が怖いのは、神社や子猫を悪いものから守っているからかもしれませんね。それにしても、しがみつく子猫の手がとっても可愛いです♥ そして右には、口をきりっと結び、前方を見据えて立つ猫。こちらはやっぱりお父さん? 二食昼寝付き・邪魔することがお仕事です!な、うちの猫とは違い、心なしか凛として見えます。
神社に狛猫がいる理由とは……
そもそも、なぜ神社に狛猫が?というと、それはこの地が丹後ちりめんの産地だから。ちりめん業社や養蚕業社にとって、絹やカイコを食い荒らすネズミは大敵です。そのためこの地方では、ネズミから大切なものを守ってくれるネコを大切にし、山城国葛野郡(現京都市右京区)から機織りと養蚕の神・木島神社を勧請した際も、お社を守る存在として1基の石猫が奉納されたそうです。それが阿形の石猫……つまりお母さんの方。こちらの台座には、丹後とちりめんの商いを行っていた江州(現滋賀県)の外村氏が、峰山鱒留村の名石工・長谷川松助に依頼して、天保3(1832)年に奉納したことが刻まれています。
そしてお父さん(仮)が加わり、狛猫として人気に
お父さんの台座には由来はありませんが、弘化3(1846)年に奉納されたことが刻まれています。元から狛猫として奉納する予定が何らかの理由で遅れたのか、お母さんに合わせて後付けで制作されたのかはわかりませんが、目や細かいパーツを見ると何となく作風は異なるような? それにしても、社殿が倒壊するような前述の大地震を生き抜くとは、さすが猫。華麗なる連続ジャンプで難を逃れたのかもしれませんね。今では峰山町のシンボルとして親しまれ、町おこし事業にも一役買う存在に。近隣の店舗には、絵付けされた狛猫が置いてあったり、狛猫のお菓子が販売されていたりするので、参拝した際はぜひ町歩きも楽しんでみてください。
境内にはところどころに猫の姿が
木島神社の足元には、猫が描かれた石が並び、
社務所の縁側には、参拝者によって絵付けされた個性的な狛猫がずらりと並びます。この狛猫の絵付けは、1・2月を除く毎月第3日曜に開催される「こんぴら手づくり市」で、体験することが可能(要予約・1体2800円より)。地元の芸術家による素焼きの「陶器猫」に絵付けするだけなので、その日に持って帰ることも奉納することもできますよ。当日はアクセサリーや小物をはじめ、手づくりの猫グッズなどを扱うお店が境内いっぱいに並ぶとか♥ これは猫好きなら見逃せませんね。
猫の授与品をゲット
もちろん授与品にも猫をモチーフにしたものがいろいろ☆ 左上は、かわいいステッカーが付いた「こんぴらさんの厄落としクッキー(ナナイロ)」500円。“厄年の人に7色のものを贈ると厄払いになる”、“厄年の人は7色のものを身につけると厄が落とせる”という風習から生まれたもので、その味は琴引の塩・抹茶・ごまなど7種類。自然素材を使っていておいしい上に縁起が良いと、リピーターが続出なのだとか。他にも「狛猫御守」「狛猫絵馬」各500円や、自分で猫の顔と願い事を書いて奉納する「猫の顔絵馬」700円、地元作家の池田修造氏による「猫の目」800円(中央)などがあるので、お気に入りをゲットしましょう。
金刀比羅神社
所在地:京丹後市峰山町泉1165-2
TEL:0772-62-0225
拝観時間:境内自由
ホームページ:http://konpirasan.com/
祭行事:4月9・10日「春季大祭」、9月第3日曜「第2回 こまねこまつり」(予定)ほか