
画像提供:旧三上家住宅
3月3日の桃の節句に女の子の健やかな成長や幸せを祈りお祝いする「ひなまつり」。京都府内各地で、巨大なひな壇に飾られた迫力満点のおひなさまや、御所ゆかりの御殿雛(ごてんびな)など、さまざまなひな人形が飾られるイベントが行われています。時代を越えて、たくさんの人の手により受け継がれてきたおひなさまを愛でに、お出かけしてみませんか?
※記事中の情報・金額はすべて2025年2月時点・税込表記です。
京都御所・紫宸殿を模した豪華絢爛な御殿雛
【京丹後市】京都・久美浜雛祭
開催期間:1月4日~4月3日

画像提供:豪商稲葉本家
日本海に面した自然豊かな京丹後市久美浜町。この地に春を告げる風物詩として知られているのが、府内で最も早い1月4日から行われている「京都・久美浜雛祭」です。祭りの中心となっている豪商 稲葉本家は、織田信長の家臣に属した美濃の稲葉一族の末裔といわれており、糀(こうじ)製造業と海運業で栄えたあと、久美浜をはじめとする周辺地域の発展に貢献したと伝わります。
約700坪もの広大な敷地を誇る邸内には、12代目当主の妻が嫁入り道具として持参したと伝わる江戸時代中期作の京都御所・紫宸殿を模した御殿雛(ごてんびな)などが展示されています。

画像提供:豪商稲葉本家
また、地元の男性グループが竹を切り、女性グループが和紙や緞子(どんす)着物のはぎれを使い丁寧に手作りした竹雛も展示・販売されています。こちらの竹雛は数量限定のため、ご希望の方は早めにチェックしてくださいね。
■■INFORMATION■■
京都・久美浜雛祭
期間:2025年1月4日(土)〜4月3日(木)
開催場所:稲葉本家を中心とした久美浜城下町の街並み
豪商稲葉本家
住所:京丹後市久美浜町3102
時間:9:00~16:00 ※水曜定休
入館料:無料
アクセス
【自動車の場合】山陰近畿自動車道(野田川大宮道路)京丹後大宮ICより車で約30分
【公共交通機関の場合】京都丹後鉄道宮豊線久美浜駅より徒歩約7分。
問い合わせ:0772-82-2356(豪商稲葉本家)
HP:https://www.inabahonke.com/
六歌仙・小野小町ゆかりの地でひな人形が大集合
【京丹後市】小町公園「ひな人形」飾り
開催期間:2月2日~3月2日

画像提供:大宮地域を活性化する会
平安時代を代表する六歌仙の一人、小野小町にちなんで造られた小町公園の中に「小町の舎(やかた)」があります。こちらでは、小野小町に関わる備品や十二単を着た小町の立像、小町伝説由来記など、小野小町を知ることができるものが展示されています。
こちらで開催されるのが「小町公園ひな人形飾り」です。

画像提供:大宮地域を活性化する会
地元の方から寄せられたひな人形たちをひな壇に飾るのですが、その数なんと1,000体以上。同じようで一つ一つ違うひな人形たちの顔を見比べたり、「小野小町はこんな顔だったかも?」と想像しながら眺めたりしてもいいかもしれませんね。
今年のひな人形の持ち込み期間は終了していますが、持ち込みを予定している方はぜひ来年もチェックしてみてください。
■■INFORMATION■■
小町公園「ひな人形」飾り
期間:2025年2月2日(日)~3月2日(日)
開催場所:小町公園内「小町の舎」
住所:京丹後市大宮町五十河302
時間:9:30~15:30 ※水曜定休
料金:無料
アクセス:
【自動車の場合】京都縦貫自動車道 京丹後大宮 ICより車で約10分
【公共交通機関の場合】丹鉄宮豊線「京丹後大宮」より徒歩約5分
お問い合せ:0772-64-5533(小町公園)
HP: https://www.kyotango.gr.jp/sightseeing/716/
気品高い商家を飾る御殿雛、繊細な職人技は見ごたえあり
【宮津市】旧三上家住宅 ひな飾り展示
開催期間:2月20日〜3月25日

画像提供:旧三上家住宅
日本三景 ・天橋立で知られる宮津市。旧三上家住宅は江戸時代において宮津城下有数の商家のひとつで、酒造業・廻船業・糸問屋等を営む一方、宮津藩の財政や城下町の町政にも深く関わっていたといわれています。こちらでは2月20日から「ひな飾り展示」が行われており、地元の方から寄贈された昭和初期の格式ある貴重な御殿雛段飾りを見ることができます。

画像提供:旧三上家住宅
細部に至るまで細かく作り込まれた御殿や小道具は見応えがありますよ。また、旧三上家住宅は主屋をはじめとする8棟が国の重要文化財に指定されており、庭園は京都府指定名勝となっています。おひなさまの見学と合わせて、当時の宮津に根付いていた文化や気品も感じてくださいね。
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旧三上家住宅 ひな飾り展示
期間:2025年2月20日(木)~3月25日(火)
開催場所:旧三上家住宅
住所:宮津市河原1850
時間:9:00~17:00 ※水曜定休
入館料:一般300円、小中200円
アクセス
【自動車の場合】京都縦貫自動車道 宮津天橋立 ICより車で約8分
【公共交通機関の場合】丹鉄宮舞線/丹鉄宮豊線「宮津」より徒歩約15分
お問い合せ:0772-22-7529(旧三上家住宅)
HP:https://www.city.miyazu.kyoto.jp/site/mikamike/
その数約1000体以上!巨大ひな壇を飾るおひなさま
【綾部市】第9回みんなのひな祭りin綾部
開催期間:2月8日~3月4日

画像提供:綾部市観光協会
綾部市の東光院で開催されている「みんなのひな祭りin綾部」。今年で9回目を迎えるこのひなまつりでは、松井真海住職が檀家に呼びかけるなどして集められた約1,000体のおひなさまが境内にズラリと並びます。
なかでも高さ約2.5メートル、幅3.6メートルもの巨大な14段のひな壇に並ぶおひなさまは圧巻!! それぞれの家庭で受け継がれてきたおひなさまの表情の違いをじっくりと眺めながら見学するのもおすすめですよ。

画像提供:綾部市観光協会
東光院最古の雛人形である江戸時代のおひなさまが披露されるほか、2024年に放送され話題となった、NHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部が登場するジオラマや、貴族のお姫さまが輿入れで使った姫籠などが展示されています。
また、天井一面を色とりどりの提灯で装飾し幻想的な空間を楽しめる連提灯などもあるので、ぜひロマンチックなひなまつりを楽しんでくださいね。
■■INFORMATION■■
第9回みんなのひな祭りin綾部
期間:2025年2月8日(土)~3月4日(火)
開催場所:東光院
住所:綾部市上延町堂の奥7
時間:9:30~16:00
拝観料:300円
アクセス
【自動車の場合】JR綾部駅から車で約10分(3.6km)※駐車場あり
【公共交通機関の場合】あやバス「上延町八反」より徒歩約13分(1km)
問い合わせ:東光院 0773-42-2432/綾部市観光協会 0773-42-9550
文化財から飲食店まで36スポット! 多彩なおひなさまがお出迎え
【向日市】西国街道ひな人形めぐり
開催期間:3月1日~3月5日

画像提供:西国街道ひな人形めぐり
美しい「竹の径」や「激辛商店街」で知られる向日市。2012年から始まった「西国街道ひな人形めぐり」は、西国街道の乙訓地域の玄関口であるJR向日町駅から街道沿い約5キロメートルに渡り、飲食店をはじめとした36か所におひなさまが展示されます。
桃色ののぼりが目印です。なかには国登録有形文化財の旧上田家住宅に展示されている豪華な昭和の段飾りや、ナカヤス文具店が作った手作り雛などがあり、バラエティーに富んだ内容が魅力です! 詳細は下記パンフレットからご覧ください。

画像提供:西国街道ひな人形めぐり
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西国街道ひな人形めぐり
期間:2025年3月1日(土)~3月5日(水)
開催場所:向日市内にある36の会場(JR向日町~一文橋、神足ふれあい町家など西国街道周辺)
時間:10:00~15:00
参加費:無料
お問い合せ:090-8653-4147(西国街道ひな人形めぐり吉川)
歴史ある街道筋の町家で愛でるひな人形と珍しいつるし雛
【長岡京市】神足ふれあい町家・ふれあいひなまつり
開催期間:2月8日~3月9日

画像提供:神足ふれあい町家
長岡京市の西国街道沿いに立つ築約170年の町家・旧石田家住宅は、伝統的な町家空間を活かした「神足(こうたり)ふれあい町家」として市民に親しまれています。
こちらで開催される「神足ふれあい町家・ふれあいひなまつり」では、市民の方々から借り受けた明治から平成のおひなさま11セットが展示されています。

画像提供:神足ふれあい町家
一番古いおひなさまは、約140年以上も前の1879(明治12)年に製作されたものだそうです。また、布でできた野菜や動物などの人形を糸で吊り下げる、京都で希少なつるし雛も見学できますよ。大小種類も多彩なおひなさまは写真撮影も可能なので、ぜひかわいく撮ってくださいね♪
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神足ふれあい町家・ふれあいひなまつり
期間:2025年2月8日(土)~3月9日(日)
開催場所:長岡京市立神足ふれあい町家(旧石田家住宅)
住所:長岡京市神足2丁目13-10
時間:10:00~17:00(開館時間:9:00~18:00)
入館料:無料
アクセス:JR京都線「長岡京」駅より徒歩約5分、阪急京都線「長岡天神」駅より徒歩約15分
お問い合せ:075-951-5175(神足ふれあい町家)
HP:https://fureaimachiya.com/
まちを歩きながらひな祭りを巡ろう♪
【八幡市】東高野街道 八幡まちかどひなまつり
開催期間:2月22日~3月3日

画像提供:八幡まちかどの博物館協議会事務局※写真は過去開催の様子
日本三大八幡宮のひとつ、石清水八幡宮がある八幡市で開催される「第13回 東高野街道 八幡まちかどひなまつり」。京阪電車 「石清水八幡宮」駅前から松花堂庭園・美術館までの神社や商業施設など41か所に、明治・大正から昭和初期のおひなさまや、江戸時代の紙で作られた立ち雛など、趣向を凝らしたおひなさまがあちらこちらに飾られます。

画像提供:八幡まちかどの博物館協議会事務局※写真は過去開催の様子
また今年は昭和100年を迎えたことにちなんで、55年前の大阪万博記念グッズも展示されます。昭和のムードが漂うレトロな空気感も楽しんでみてください。
期間中はくじ引きに当たれば素敵なプレゼントがもらえるスタンプラリーや、文字を探して合言葉を完成させるとチャレンジできる抽選会なども開催されています。景品には当選店舗で使える割引券や、ボートピア京都やわたのキャラクターグッズなどが多数用意されているので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
開催エリアが広いので、歩いて巡るのが大変な方には、レンタサイクルやバスなどで移動しながらの見物もおすすめです。
■■INFORMATION■■
東高野街道 八幡まちかどひなまつり
期間:2025年2月22日(土)~3月3日(月)
開催場所:八幡市内にある45の会場
時間:会場ごとに開催時間・休日は異なります
参加費:無料
お問い合せ:090-3867-6302 (八幡まちかどの博物館協議会事務局)
美しい平安装束を身にまとったお内裏様とお雛様を間近に
【京都市】下鴨神社 流し雛
開催期間:3月3日

画像提供:下鴨神社
京都最古と伝わる神社のひとつ、世界遺産・下鴨神社では、毎年3月3日桃の節句には伝統行事「流し雛」が行われます。
人形(ひとがた)に厄を託して心身を祓い清め、無病息災を祈る伝統的な儀式が起源です。ひな祭りの原点にもなった神事と言われており、雅やかな平安時代の装束を身にまとった男女が、桟俵(さんだわら/俵の両端にかぶせる円形の藁ぶた)に乗せた雛人形を御手洗(みたらし)池に流すといったもの。
当日は、一般の参加者も有料で流し雛を体験できます。なお、神事の流し雛は11時から開催予定。
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下鴨神社 流し雛
期間:2025年3月3日(日)
開催場所:下鴨神社御手洗川
住所:京都市左京区下鴨泉川町59
時間:6:00~17:00(神事等により変更の場合有り)
拝観料:境内自由(一部参加有料の行事あり)
アクセス:京阪電車「出町柳」駅から徒歩12分
問い合わせ:075-781-0010(下鴨神社)
HP:https://www.shimogamo-jinja.or.jp/
伝統的和風建築で出合う雅やかなひな人形たち
【京都市】令和7年春の特別公開「永々棟のひなまつり」
開催期間:2月21日~3月23日

画像提供:平野の家 わざ 永々棟
北野天満宮すぐ近く。京都の伝統を未来へとつなぐ文化拠点「平野の家 わざ 永々棟」では、毎年春に「永々棟のひなまつり」を開催します。同施設は、築約100年の木造建築を改修した建物で、数寄屋建築や社寺建築の設計・施工を専門とする会社が保存改修に携わり運営を行っています。

画像提供:平野の家 わざ 永々棟
町衆の間で流行した豪華な享保雛をはじめ、『源氏物語絵巻』を彷彿とさせる顔立ちの次郎左衛門雛、公家の装束を忠実に再現した有職(ゆうそく)雛など、永々棟が所蔵する江戸時代から現代までの貴重な雛人形が、数寄屋建築のお座敷に一堂に並びます。
また、会期中にはお茶席や邦楽演奏、伝統工芸の技を間近で見学することができる、京の伝統産業わかば会の実演販売などの関連イベントも多数開催。詳しくは公式HPからチェックしてみてください。
■■INFORMATION■■
令和7年春の特別公開「永々棟のひなまつり」
期間:2025年2月21日(金)~3月23日(日)の金・土・日曜日、祝日
開催場所:平野の家 わざ 永々棟
住所:京都市北区北野東紅梅町11
時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
入館料:一般 800円/大学・高校生 600円/中学生以下 無料
アクセス:京都市バス「衣笠校前」から徒歩3分、嵐電「北野白梅町」駅から徒歩5分
お問い合せ:075-462-0014(平野の家 わざ 永々棟)
HP:https://waza-eieitou.com/event/075.shtml