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1泊2日で行く。祝!日本遺産「丹後ちりめん回廊」の旅③【最終回】

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f:id:kyotoside_writer:20170704121245j:plain2日目は、まず日本三景の1つ天橋立へ。丹後ちりめんの行商人も宮津に来た時には訪れたに違いありません。潮風を堪能した後は、ちょっと足を延ばして、丹後ちりめんの大産地である網野町、それから丹後ちりめんが一堂に集まってきた峰山町へ。(1日目前半 後半の記事はこちら)

2日目後半のルート

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・宮津市街から天橋立までは車で約6分、京都丹後鉄道(宮津〜天橋立)で約16分
・天橋立から網野町までは車で約40分

青い海に横たわる龍を発見!

f:id:kyotoside_writer:20170701235333j:plainここまで来たら、やはり日本三景の一つ、天橋立にはいってみたいですよね~。天橋立は自転車や歩いて渡ることができるんです。途中にある天橋立神社は恋愛成就のパワースポットとして人気! 海水浴場もあるんですよ。
そして山から見る天橋立は絶景なのでオススメ! ロープウエイで文珠山山頂に登り、天橋立ビューランドからの見る天橋立は天に舞う龍のように見えることから「飛龍観」、対岸の成相山中腹にある傘松公園からの眺めは、天橋立が昇り龍のように見えることから「昇龍観」といわれています。

 

f:id:kyotoside_writer:20170701235837j:plain天橋立の海沿いに立っているのが、日本三文殊のひとつに数えられる智恩寺。文殊さまといえば智恵を授けてくれる仏様として有名です。今年、受験や資格試験などを控えている人は、ぜひ、お参りを! 山門は、黄金閣とも呼ばれる市の指定文化財だそうですよ。

f:id:kyotoside_writer:20170701235340j:plain忘れてはいけないのが、これこれ! 智恵の餅です。智恩寺の門前町である茶屋通に江戸時代から伝わる門前の名物で、文殊菩薩の智恵に由来するお餅です。

f:id:kyotoside_writer:20170701235329j:plain今も門前に立つ四軒茶屋で参拝客をもてなしています。こちら勘七茶屋では夏は智恵の餅ソフトクリームも登場!ちゃんと智恵の餅のこし餡の味がするんです!! こちらもオススメ。
さてお腹も満たされたところで、車で移動しますよ~。

丹後ちりめんの歴史を訪ねる

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丹後大仏
天橋立からは車で40分。もう1泊できるようならば、ぜひ訪れてほしいのが伊根町筒川地区に立つ「丹後大仏」です。明治時代、この場所に筒川製糸工場が建設され、丹後ちりめんなどの材料を供給していました。しかし火事により全焼。再建後の大正8(1919年)、従業員の慰安旅行で東京に訪れた際に、多くの従業員がスペイン風邪で亡くなり、慰霊のため建立されました。
舟屋の街並みがステキな伊根湾へは車で15分。過去記事のノスタルジック伊根探訪前編後編を見て観光するのもオススメですよ。ちなみに、伊根町から天武神社までは車で約50分。

 

f:id:kyotoside_writer:20170702001908j:plain天橋立から車で40分。緑豊かな京丹後市弥栄町鳥取。この地の天武神社に「絁(あしぎぬ)の碑」という碑があると聞き、訪れました。「あしぎぬ」とは昔の絹織物の一種。奈良の正倉院には赤い「あしぎぬ」が収められているのですが、その端には「丹後国竹野郡鳥取郷(田里車部鯨調)」と記されているのだとか! 鳥取郷とは現在の京丹後市弥栄町鳥取のこと。つまり、この地で織られた「あしぎぬ」が奈良の平城京へ税として届けられたってことですね。そんな昔から、この地で絹織物が織られていたとは! なんだか感動してしまいました。

織機の音にびっくり!

f:id:kyotoside_writer:20170702002838j:plainそこからさらに車で15分ほど走ると、今度は古い通りにやってきました。そして、ここから細い路地をちょっと入ったところに

 

f:id:kyotoside_writer:20170702002935j:plain今、数少なくなってきた丹後りめんの織元たゆうさんがあります。こちらは予約をすると工場見学をすることができるんです。

f:id:kyotoside_writer:20170702003020j:plain案内されて中へ。びっくりするほど大きな機械音! それもそのはず、昨日、与謝野町で聞いた織機の音は1機だけ。こちらは、ものすごい数の織機が動いているんです。大音量になるわけですね。

 

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1 ずらりと並んだ糸。絹糸は驚くほど細く、蜘蛛の糸のようでした。2 コンピューター制御になっている機械もありましたよ。3 生糸を糸わくに捲きとる「糸繰り」は、とても技術を要する作業。この工程がしっかり出来ていないと製品の完成度に影響ができるのだとか。4機械の中をシャッ、シャッと左右に行き来する横糸を巻き取っているところ。

 

f:id:kyotoside_writer:20170702003134j:plainなんだか印刷機のよう。小学生の時に訪れた新聞社の印刷工場を思い出しました。こうやって、丹後ちりめんが織られているんですね。

 

f:id:kyotoside_writer:20170702003239j:plainこちらにはギャラリーとショップがあって、丹後ちりめん商品を買うことができます。

 

f:id:kyotoside_writer:20170702003245j:plainこんな、かわいい商品もありますよ~。 1 アクサリー入れにもいい2.6丸がまぐち1300円 2人気の大判かのこ洗顔パフ1100円。肌に負担をかけずに毛穴の汚れを落としてくれます。3創作意欲がわいてくる、はぎれは30cm×30cmで350円~。4小紋柄名刺入れ1500円。いろいろな柄がありましたよ。(全て税別)
織元たゆう http://www.tayuh.jp/


一足伸ばして 番外編

f:id:kyotoside_writer:20170702003505j:plainたゆうさんが建っているのは、海のすぐ側。海水浴場や公園もありました。その海辺に建っているのが島児神社。日本各地に浦島太郎伝説がありますが、なんとここ、あの浦島太郎伝説の地の一つなんです。『丹後国風土記』では、浦島太郎のことを水江浦嶋子と書いているそうです。右下は浦島太郎と乙姫さんが初めて出会ったとされる福島。時間があったら、ぜひ立ち寄ってくださいね。

あれ?猫が神社に???

f:id:kyotoside_writer:20170702004129j:plain車でびゅーんと、ひとっ跳び。今度は峰山町へやってまいりました。ここが旅の終着点。

f:id:kyotoside_writer:20170702004411j:plainここ峰山町にある金刀比羅神社は、丹後ちりめんの生産を奨励し、その繁栄が財政を大きく支えた峰山藩藩主・京極家が江戸後期の文化8(1811)年に創建した神社です。山に面した広大な境内には何段もの石段と朱塗りの神門。頂上に立つ本殿は銅板葺きと、どこもかしこも立派。これだけ見ても丹後ちりめんの繁栄ぶりが伺えます。

f:id:kyotoside_writer:20170702004435j:plainそして必見!本殿に行く途中に立つ木島神社には日本で唯一、狛犬ならぬ狛猫がいるんです~。この神社は、地元の糸商人や養蚕家、織物業者らが建立した養蚕の神様。金刀比羅神社が建立してから20年後に建てられました。丹後ちりめんの商いで栄えた峰山は、ちりめん問屋や糸屋が軒を連ね、周辺の村々で機が織られ、農家は絹を生産するための養蚕を営みにしたのです。この養蚕の大敵がネズミ。だから峰山では猫を大事にしていたんですって。そんなことから木島神社に狛猫が奉納されました。
過去記事 こちらも読んでくださいね「2月22日は猫の日♥丹後の狛猫に会いに行ってみました」

f:id:kyotoside_writer:20170702004515j:plain養蚕の神様を守っている狛猫さんたち。カワイイのです! 左の猫は子猫を抱いていますよ。頭をなでているのかしら。右の子も目がくりっとしてキュート!!! 左右で制作時期と作者が違うそうで、左は丹後で人気の石工・長谷川松助さんの作だそうです。
そして、9月17日(日)には、「こまねこまつり」を開催。手作り市や猫グッズの販売、まちなかスタンプラリー、ねこまんまランチ&ねこスイーツ、陶器ねこ塗りワークショップ&ねこ絵馬奉納などなどイベントが盛りだくさん。そうそう、金刀比羅神社の最初の写真は、このねこ塗りワークショップの作品だそうです。楽しそうですね~。

 

f:id:kyotoside_writer:20170702004541j:plainところで驚いたのは絵馬舎に飾られていた、この絵馬。宮司の脇阪卓爾さんに案内していただいたのですが、10月に行われる明治期の例祭の様子を描いたものなのだそう。よく見ると山屋台、芸屋台(芸能などを披露する屋台)、吹貫などの行列がズラ~リと並んでいるのです。「峰山町の広さは、この神社の向かい側、藩主の居城が建っている山までの1キロの間。こんな小さな町なのに、これだけの屋台が出せたのは驚きですよね。しかも11町内で屋台、芸屋台、吹貫の3つを出していたそうですから、合計で30基あまり。さらに立派な御神輿も巡行しています」とのこと。昭和2年の丹後大震災で多くはなくなってしまったのですが、丹後ちりめんで栄えた町の力を見た気がしました。

f:id:kyotoside_writer:20170702004558j:plainさてさて、金刀比羅神社で求めたのは、こちら。やっぱり猫グッズは欲しい~。自分で顔を描く「猫の顔絵馬」700円。表情がユニークな「猫の目」800円、狛猫御守500円。

f:id:kyotoside_writer:20170702004620j:plainそれから、戸田風月堂で買った「猫まん」180円(税込)。香箱座りっていうんでしたっけ。かわいい~。

f:id:kyotoside_writer:20170702004652j:plain金刀比羅神社の前に立つお菓子屋さんの大道さんで買ったのは「狛猫もなか」160円。狛猫のお顔がリアルに表現されていますよ。かわいい箱入り550円もありました(全て税込)。

旅もこれでおしまい! 丹後ちりめんの景気に沸いた峰山の町は歩くとおもろそうです。今度、ゆっくり来てみたいなあ。今回の旅は、ちょっと強行軍だったので、このルートを参考にゆっくりプランを立ててみるのもいいかと思います(例えば1日目前半の与謝野町を半日ではなく1日かけて見学するとか)。ぜひ、行ってみてくださいね。

 

“さとう わかこ

さとう わかこ

1泊2日で丹後ちりめん回廊を旅をしてきましたが「ガチャマン景気」と呼ばれた、丹後ちりめんの景気のすごさと、ちりめん技術の素晴らしさを実感しました。これから着物を見る時の視点が変わりそうです。 

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