1000年にわたり現在も読み継がれる『源氏物語』。数え切れないほどのマンガやドラマ、映画などにリメイクされています!許されない恋の行方に世界中の女子たちがドキドキ♡昨年、宇治市源氏物語ミュージアムは人気ドラマのロケ地にもなりましたね。
『源氏物語』を楽しみながら学ぶことができる同館は2018年秋のリニューアルオープンを機に、平安貴族の華やかな世界観を体感できる体験型展示コーナーを新設!『源氏物語』を知り尽くした学芸員さんに案内してもらいました。平安貴族のアレコレを知ることで、京都観光がより面白くなること間違いなし!!
世界中にファンも♡世界最古の長編恋愛小説『源氏物語』
『源氏物語』は平安時代に宮中に仕えていた紫式部が創作した全五十四帖からなる恋愛物語です。主人公は光源氏、言わずと知れた平安時代のプレイボーイ。たぐいまれな才能によって政治の世界でも大活躍した人物です。
全五十四帖の最後十帖の主人公は光源氏の子・薫(かおる)や孫・匂宮(におうのみや)となり、宇治を中心に物語は展開します。この十帖を「宇治十帖」と言います。
2020年、同館は人気ドラマのロケ地にもなりました。『源氏物語』の主人公・光源氏が平安時代から現代になんとタイムスリップ!奇想天外なラブコメとして話題になりましたね。平安時代と現代の共通点を探すおもしろさにハマった方も多いのではないでしょうか。
平安貴族のマイカー牛車を間近に@平安の間
早速、平安の間へ入ってみましょう。巨大スクリーンでは『源氏物語』のあらすじをギュッとわかりやすく8分の映像にまとめてくれているのがうれしい♡まずはご覧ください。そのあと、展示物の見学や体験コーナーを巡るのがおすすめ。
こちらでは『源氏物語』に登場する平安貴族たちの華やかな生活を知ることもできます。
例えば、貴族がお出かけの際に使っていた牛車。漆塗りが美しい♡絵巻物などでは見かける機会が多いですが、実物はとっても大きいってご存知ですか?
牛車は、全長5.5メートル。車輪だけでも直径2メートルほどあります。今でいうところのコンパクトカータイプなんだとか。従者、牛、牛のエサ、メンテナンス…と牛車の維持費だけでも莫大なランニングコスト。平安貴族の経済力ってすごい!
こちらは『源氏物語』に登場する光源氏の邸宅「六条院」のジオラマ。春は桜、夏は柳、秋は紅葉、冬は松など四季折々の風景をそれぞれに楽しむため、なんと六条院は4つの町に分かれています。よくみると、船遊びができる池や競馬(くらべうま)ができる長い直線コースがあります。なんとも贅沢!
六条院の入口を撮影。よく見るとさきほどの牛車が。六条院のスケール感をおわかりいただけますよね?
寝殿造りの御殿での暮らしや女房装束を解説した展示コーナーもあります。(上写真)よく見ると二人の女房が向かい合い囲碁で遊んでいます。囲碁は奈良時代に中国から日本へと伝来し、現在でも続いている遊び。平安貴族のなかでは男女問わずポピュラーな遊びだったようです。
平安時代の恋愛事情がわかる!「垣間見(かいまみ)」を体験@平安の間
牛車に御簾が掛かり、顔が見えません。どうしてでしょう?平安時代の女性は成人すると基本的に男性に顔を見せることはなかったそう。なんと家族同士であっても同じ!!
しかし、偶然に家の外から女性の姿が見えてしまうこともあったようで、それがきっかけとなり恋に発展することも。
垣間見は明かりによる効果が重要。例えば、薄暗い部屋の外にいる男性が垣根越しや御簾越しに、室内の女性を見た場合、外からは顔が見えますが、室内からは見えません。
こうした明かりの効果によって男性は女性に気づかれることなく顔を見ることができたんですね。それを体験できるのが「垣間見よう」コーナーです!二人組になって是非とも体験してみてください。
光・映像・音楽で「宇治十帖」の名場面を再現@宇治の間
平安の間と宇治の間をつなぐ、架け橋を通って移動します。都に住む貴族たちが別荘地としてこよなく愛した宇治は、牛車や輿に乗って6時間ほどの場所。ここを歩くと平安京から宇治まで貴族が通っていたルートを知ることができます。
実物大のセットで「宇治十帖」の名場面を再現している「宇治十帖」物語シアター。サクッと5分で「宇治十帖」のことがわかります。光と映像と音楽で、物語の世界へと誘ってくれますよ~。
隣接している映像展示室では、『源氏物語』をテーマとしたアニメやショートムービー3作品を日替わりで上映。上映予定についてはあらかじめ同館にご確認くださいね。
源氏香&フィットネス!?体験コンテンツ充実@物語の間
まさか、ここでヨガポーズをすることになるとは!?『源氏物語』のストーリーを見ながら運動もできるという画期的なコンテンツです!カメラマンさんと二人でやると盛り上がりました♪
「源氏香(げんじこう)」の体験ができるコーナー。5種類の香木をそれぞれ5個、計25個を用意し、その中から5個を選んで、香りの違いを言い当てる遊びです。
全部で52通りあることから、その図柄に『源氏物語』五十四帖のうち、第一帖と第五十四帖を除く五十二帖の名が付けられました。
じっくりと5つの箱の中の香りをかいで…悩んだ末に私が出した答えは「明石」。源氏香の独特の記号もお洒落で可愛く見えてきます♡
入館の際にもらったパンフレットに、自分で出した答えのスタンプを押します。
答え合わせをしに、受付へ。この日の答えは「明石」、なんと!正解^^
『源氏物語』の世界観を知ることをきっかけに、興味がどんどん広がっていくのを実感しました!より宇治観光が楽しめること間違いなし。
お土産コーナーでは老舗のお香も販売中。ぜひゲットして帰ってくださいね。
■■INFORMATION■■
宇治市源氏物語ミュージアム
0774-39-9300
京都府宇治市宇治東内45-26
9:00~17:00(16:30受付終了)
月曜休館(祝日の場合はその翌日休館)、年末年始
大人600円、小人300円
※今回ご紹介した展示は有料ゾーンにつき観覧料が必要
京阪「宇治駅」から徒歩約8分